お慕いの国
「愛よりも軽くて、重い。確かに在る想い。
空っぽでも、複雑でも、拒絶しても。
――“お慕いしています”から始まる国の物語。」
いつか、そこに住めたなら幸せになれるかな?
——私は愛を囁くことなんて、なんとも思わない。
言われたことを返すだけ。
誰かの真似をするだけ。
簡単。
中身なんて空っぽでいい。
だって誰も私の中身なんて見ていない。
誰の魂が入っていようと関係ないのだ。
「愛してますよ」
あぁ、今日も愛されて終わる。
幸せってなんだろう。
いつ終わるんだろう。
——いつか、そこに住めたら、幸せだって言えるんだろう。
俺は愛を囁くことなんて、迂闊にできない。
嘘くさい。
誰かと俺は決定的に違う。
複雑。
空っぽの愛なんて嫌だった。
きっちり中身を見てほしい。
だって、それしかない。
見てくれなんてないんだ。
「……愛しているよ」
好きなのに。愛しているのに。
君の愛と俺の愛は何かが違う。
これは不幸せなんだろうか。
——いつか、そこに住むのが僕の夢。
気がついた?
僕がずっと待っていたこと、迎えに行きたかったこと。
僕は愛を囁くなんて絶対にしない。
愛が何もかも台無しにしたからだ。
それがなくたって幸せだったのに。
嫌い。大嫌い。
驚いた? はっきり言いすぎたかなぁ?
僕の見た目? 中身? 誰なのか?
関係、ある?
どうして、目の前にあるものを大事にできないの。
「なんとか、言ったら……?」
どう言えば、わかってくれるかな。
この気持ち。
長い間、考えていた。
——「お慕いしています」
幸せのはじまり。
ようやくみんな、ここに来てくれた。
仲良くしようね。
「――ここは、お慕いの国」
《舞台裏》
えっ!?あなたは「お慕いしてます」って使わないの?
私は普通に使ってた!多分ねぇ「お慕いの国」から来たんだよね。
よかったら、ふらっと遊びにおいでよ。
「お慕いの国」っていいところだよ?
とある国の王様だって、ブームに乗って「お慕いしてる」って言うらしいよ!
さあ!あなたもぜひ!?
私?あなたのこと?
「すきだよ。愛してますよ。
……お慕い、しています」
ふふっ、次はあなたの番だよ!!!
タイトル
「お慕いの国」
ハッシュタグ案
#散文詩 #創作詩 #お慕いの国 #空想の国 #愛よりもお慕い
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