第5話



『行き先も、生きる理由も、何も分からなくなっていた俺を教え導いてくれたひと』



 ――後に遠く隔った場所で、徐庶じょしょ陸伯言りくはくげんをそう言い表した。

 

 傍らでそれを聞いた諸葛亮しょかつりょうは友の中に、かつては見覚えのなかった強い光のようなものがあることを感じ取った。


 何者かは分からないが、一度は世界に対して心を閉ざした徐庶の心のわだかまりを解いて、この地に導いた者がいる。




『いつか天下が太平になったら、

 今度こそずっと側にいたい』




 叶え方はもう分かってる。


 徐庶はそう言った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る