〈ママのあとがき〉
はじめまして。
わたしは、あかりの母親です。
娘のあかりから、電話がかかってきたのは、晩ごはんの支度をしていたときでした。
「もしもし、ママ?
今、ちょっと話しても大丈夫?」
いつもと違う、少し興奮したような、でもどこか不安げな娘の声。何かあったのかしら、と心配になりました。
そして、あの子から聞かされたのは、まるで夢のような、でも、わたしたち夫婦がずっと胸の奥にしまっていた、懐かしくも辛い出来事でした。
あの子が、
「ひかりちゃんが、蒼くんと話してくれたの」
と、涙ながらに話してくれたとき、わたしは何も言葉が出ませんでした。
電話口で、あの子のそばにいるという蒼くんが、優しく相槌を打ってくれているのが聞こえてきて、さらに驚きました。
あの子は、生まれる前からずっと一人じゃない。双子の妹だったひかりという存在が、ずっとそばで見守ってくれていた、と。
そして、ひかりは、あかりが「支え合って行ける人」を見つけたから、安心して光の国へ旅立ったのだと……。
その話を聞きながら、わたしは涙が止まりませんでした。辛かったあの出来事を、あの子がこんなにも温かい意味に変えてくれた。そして、もう一人で悩んだり、辛い思いをしたりしなくてもいい。そう思えたからです。
あの子が電話を切ったあと、夫にその話をしたら、夫も声を上げて泣いていました。
きっと、わたしたち夫婦がずっと知らずにいた、あの子の守護霊だったひかりの存在が、あの子を守り、導き、そして、私たちにまで温かい光を届けてくれたのだと思います。
この物語を読んでくださって、本当にありがとうございます。
皆様の心にも、大切な人の温かい光が、届きますように。
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