第22話 過去の想い出

 それからしばらく後、二人は校舎裏で笑って話せるくらいに打ち解けた。そこからの展開は早かった。

 

 二年の三学期が始まった頃。校舎裏には二人の人影、そして表まで薄紅色のオーラが広がっていた。


 どちらからともなく、お互いに腕を巻きつけた。永遠に消えない火のような、陽炎のようにゆらゆらとしたような、そんな印象だった。


 そのまま二人は顔を近づけ、唇を重ねた。晴花は、背伸びしてぐらぐらするのを支えるため、さらに腕に力を入れた。


 どれほどそうしていたのだろうか。二人はこの時間が続いてほしいという純粋な願望を抱いた。


 二人は、いつか結婚したいという希望を語った。このときはまだ、その道のりがとても困難であることなど知る由もなかった。


 ──過去の想い出──

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