第1回山羊座賞

真白透夜@山羊座文学

第1話 間川レイさま『私はどこまでいってもひとりぼっち』

ご参加ありがとうございます。

間川さまの作品はこれまでも読ませていただいていておりました。


では、早速……


冒頭、ナプキンという言葉から入るのが強気でいいですね。

それだけでどんな話が展開されるか、もう方向性が見えます。


生理の憂鬱さが続きますが、女性の中でも重い軽いがあるため、女だからってみんな同じ価値観ではない。

わかる人にはかなりリアルな描写ですね。


そこから自分の体への拒絶が書かれます。

生理なら憂鬱さがわかる人は多そうですが、自分の体の拒絶となれば、すぐ共感とならないこともあるので、慎重に読んでいきます。

前半は強気でしたが、ここでじゃあバッサリ見た目を変えちゃったらどうか、となるとできないという臆病な一面が出ます。

私もそうですね。

見た目を自分に合わせてできる人が羨ましいです。


男に生まれていたら……ときました。

自分の性格の歪みもそこからきていると。

単なる、性別の不一致でなく、二次的な苦しみがあるわけですね。

しかも後半は父との関係が。

ここで暴力の臭いです。


父の、障害すら感じさせる価値観。

世の中には、そういう理屈じゃない人っていますよね……。

父の理屈に、みなさんはどれだけ「酷い」と思ますかね?

ここはすごく大事なところだと思います。

私は、素直に「酷い」と思えた人は、優しい人だと思います。

私自身は、「わかる」です。

父の言ってることがわかる派です。

じゃあ殴るのか?

殴らないです。

道徳として?

違います、自分が女だからです。

時々、友人に話すんですが、自分が女で良かったなと。

自分が男だったら、今頃犯罪者だったかもしれません。

これは、道徳の問題ではなく、遺伝子レベルな気がするのです。


今回は、名家の娘としての重圧ですね。

描写からすると、父は外では普通っぽいです。

殴られていても、いかにもボロボロとか、周りが気付くレベルではない。


いよいよ、家出をします。

「久々に会って話さないか」ですか……会ったら殺されますね。

LINEで繋がっているのはちょっと意外でした。



♢総評

間川さまの作品は、どの距離感で読むかで大分ちがいます。

今回、私は父と自分が被るので、そういう自分のモンスターと出会えるという点で、すごい作品だと思います。

ここで、単純に主人公可哀想とか、父親を警察に……みたいな感想は、間川作品の「格」に合わない気がします。

人間と異形の境目とか、人間と異形の混血を書いているように感じるからです。


本来の物語を縮めてくださったようです。

確かに、起承転結の起が中心だった気がします。

良かったら、フルバージョンも見せてください。

重いパンチ、ありがとうございました。

まだパンチ受けれます。






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