第2話
僕と星野との関係について、どう思うか聞いたことがある。
中学生の時に知り合い、今も同じ高校に通う仲のいいクラスメイトである清川 理央はこう答えた。
『最悪以外のなんでもないだろ。お前、自分が星野さんに何したか覚えてる?あんなことされて良好な人間関係なんて築けるわけないって。』
僕に対しての好意を隠そうともしない、隙があればすぐにベタベタとひっついてくることで校内では有名な長谷部 桃子は、人工的な長い睫毛をつけた目を瞬かせながら、こう答えた。
『水と油って言うのかな?絶対に混ざり合わないと思う。星野さん、絶対に空のこと嫌いだよ。だって空、あの子にだけあたり強いじゃん。』
————当事者である星野は、こう答えた。
『どうもこうも無いかな。私と月野くんの間には、特に何もないじゃない。』
特に何もない、と。
星野は言い淀むことも迷うことも戸惑うこともなく、問いかけに対しての回答をすぐに僕にくれた。
ほしいものはくれないくせに、ほしくないものはすんなりと僕にくれる。
星野のそんなところに、どうしようもない苛立ちを覚えた自分だって"嫌なもの"に含まれる。
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