第19話 御曹司の短期留学(前編)
とある日の昼。
アメリカのサンフランシスコ国際空港に日本から来た飛行機が着陸した。
次々と飛行機から人が降りていき、入国審査を受けていく。
(人多いなぁ……審査を受けるまで時間かかりそうだ)
次々と審査が終わっていき、少年は前に出る。
「May I see your passport?(パスポートを見せてください)」
「Here you are(はい、どうぞ)」
パスポートとビザを見せると、審査員が確認する。
「What is the purpose of your visit?(渡航の目的はなんですか?)」
「Study abroad(留学です)」
「How long will you stay?(滞在期間はどのくらいですか?)」
「Two weeks(二週間です)」
「Where are you going to stay?(どこに滞在する予定ですか?)」
「My host family’s house(ホストファミリーの家です)」
それからも質問が続き、答えていくと入国審査が終わった。
(はぁ……やっと終わった)
メールによると、ホストファミリーはロビーで待っているらしい。
(どこだろう……確か家族写真送られてたよな?)
スマホで確認しようとすると、前から来た誰かとぶつかった。
「あっ……すみません」
「Sorry(ごめんなさい)」
しまった。ここはアメリカだ。英語で話さないと。
「もしかして……大翔?」
「えっと……あなたは?」
「あれ?家族写真送らなかったっけ?僕はエリック・ハナスル。大翔の滞在先……ハナスル家の長男だ」
「そうなんですか。僕は齋藤大翔。二週間よろしくお願いします」
「ため口でいいよ。ほぼ同年代だし」
二人が握手を交わす。
「エリックって日本語話せるんだね」
「日本のアニメが好きだからさ。理解するために勉強したんだ」
「それでペラペラ……すごいな……」
「まだまだだよ。慣……用……句?とかもあんまり分からないし」
「それでも凄いよ」
「そろそろ行こう。父さんと母さん……それにエミリーが待ってる」
二人はエリックの家族がいるところに歩き始める。
「大翔の英語レベルはどれくらい?」
「基本的な会話ならできるけど……世間話とかは難しいかも」
「了解。もし分からなかったら僕に言って。翻訳してあげるし、大翔が伝えたいことも翻訳するから」
「それは助かる」
「あっ!いたいた」
エリックが手を振ると、父親らしき人物がエリックのもとにやって来る。
「Eric! Where have you been?(エリック!どこに行ってたんだ?)」
「I went to look for Hiroto because I was worried about(大翔が心配だったから探しに行ってた)」
「Are you Hiroto? My name is Daniel. Nice to meet you(君が大翔か?よろしく)」
「Nice to meet you too(こちらこそよろしくお願いします)」
話していると後ろから美人な女性とその女性によく似て綺麗な女性がやってきた。
「Hello Hiroto! (こんにちは大翔!)」
「Hello(こんにちは)」
「Let me introduce you. This is Minil, my wife. And this is Emily, my daughter(紹介するよ。彼女は私の妻のミニル。そしてこの子は娘のエミリーだ)
「Mom! He is handsome!(お母さん!彼イケメンなんだけど!)」
「And you look really kind(それに優しそうね)」
母娘で大翔を見ながら盛り上がっている。
「Mom,Emily. Hiroto is in trouble(母さん、エミリー。大翔が困ってるよ)」
「Sorry. Well then, let’s go to our house(ごめんなさいね。それじゃあ私達の家に行きましょうか)」
ダニエルが運転する車で移動し始めると、エリックが話しかけてきた。
「大翔はアメリカ初めて?」
「一回来たことある。でも子供の頃だったから覚えてないなぁ」
「そうなんだ。なら初めての気分でアメリカを楽しめるね」
「そうだね。よかったら案内してくれる?」
「もちろん」
二人で話していると、エミリーが頬を含らませていた。
「Eric. Don't speak in Japanese. I don't understand(エリック。日本語で話さないで。分からないじゃん)」
「Sorry(ごめんね)」
エリックが宥めると、大翔に話しかける。
「 Hiroto, is it okay if I speak in English?(大翔。君がよかったら英語で話してもいいかな?)」
「Sure(いいよ)」
三人で会話すると、車内が盛り上がった。ダニエルとミニルも会話に参加し、場が和みながら家に向かった。
一時間ぐらい走り、車が止まるとダニエルは後部座席に向かって話しかける。
「Go ahead inside, I'll park the car(駐車するから先に入ってて)」
「OK(了解)」
ダニエル以外が降りると、エリックが案内する。
「ここが僕達の家だよ。大翔の部屋もあるから」
「ありがとう」
家に入ると、二階にある大翔の部屋に案内される。
「ここが大翔の部屋だよ」
「結構広いけど使っていいの?」
「うん。元々僕の部屋だったんだ。今は大学の近くで一人暮らししてるから」
「そうなんだ」
部屋を見渡していると、大翔のお腹からぐ~っと音が聞こえた。
「お腹空いた?母さんが歓迎のご飯作ってくれているから食べようよ」
「やった!」
同時刻。日本は朝を迎えていた。暗い部屋でパソコンを触る少年がいた。
Enterキーを押し、ファイルを保存すると印刷を始める。
印刷が終わると、ホッチキスでプリントをまとめる。
「やっと完成した。今は6時か……夢中になりすぎたな」
寝ずに作業していたからか、目の前がふらつき始めた。
「おやすみ……」
少年が布団に籠る。少年が印刷したのは脚本のようだ。
『光星学園演劇部 文化祭上演内容:禁じられた森の秘密』
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