俳句と散文 「鈴虫」
よひら
置き配の箱から聞こゆ虫の声
夢の中で
リンリンリンと
何とも風流な
と思ったら、本当にリンリンリンと聞こえる
まさか鈴虫なんかいるわけが、、、
と思いながら目を凝らす
ドアの外から聞こえる
目が覚めてしまった
夢遊病者のようにモソモソと
ベッドからおきあがり、
ドアを細く開ける
視界には隣の部屋の前の廊下
うっすらとした明かりの下
置き配らしい段ボール箱
音源は
どうやらその箱だ
そこまで確認したが
疲労のあまり這うようにして寝床に戻った
翌朝、いつものように携帯のアラーム音
3度目で目覚める
どうやら二度寝してしまったらしい
あれは現実だったのだろうか
通勤の地下鉄の中で、
スマホをいじりながら
昨夜の記憶を反芻する
それとも夢だったか
今朝家を出るときは、隣の部屋の前には
置き配らしい箱はなかった
まあ、いいか、もしかしたら夢だったのかな
なんて思いながら
いつもの朝のように地下鉄に揺られている
fin.
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