シーン7神殿。
俺達は氷虎を燃やし、倒していた。
すると。
そこへ新たなアイスタイガーの出現。
そしてロンが口を開く。
『ルキさん……ちょっと待ってて。』
『は、はい…………………………』
なんだかそんなやりとりも面白くなかったが俺もじっとロンを見ていた。
『僕はこの地のロンという者……我が者達は仙人様の元までお連れ願えないだろうか?』
ロンは新たな氷虎へ向かいそういい放つ。
するとアイスタイガーは言葉を発する。
『我の力をおさめたもの達よ…………われはアイスタイガー…………われは…………………』
次の瞬間。
ゴオオオオオーーーーーーーーーーーッと言う音が聞こえてくる。
そしてロンが吠える。
『ルキさん離れて!!!!!』
『えっ!?ええっ!?』
するとロンとルキの頭上から巨大な氷の塊が見えた。
『うおおおおおーーーーーーーーーーーっ。』
ロンは再び吠えるとバッと飛び上がり巨大な氷へと飛ぶ!!!!!
『ロンさん!?』
『おい!!!お前!?』
俺もルキも思わず叫ぶ。
『はあああーーーーーーーーーーーーっ………』
『
いつしかロンの姿は変化していた。
それはなんと九つの尾を持つ狐。
そして九尾であるロンは氷の塊に触れる。
その瞬間。
パラパラパラっと氷は溶け落ちていく。
『お前………………………不思議な力を感じたと思ったらお前もまた………………精霊の一部だったのか。』
その姿を見ていた俺は問いかける。
『ええ………このことも他言は滅多にしません……そしてこの私がここを案内できるという理由はこの力がある為です。』
『なるほどな………ただのヒューマンがこんな所に来れるわけがないもんな。』
俺はその言葉に納得する。
するとロンはルキに向き直る。
『ルキさん………今まで黙ってて申し訳ない………貴女には初めから言うべきでしたね。』
『いえ…………大丈夫です………私もドラゴンですし。』
そう言ってロンに微笑みかけるルキ。
『にゃっはあ………これが恋愛ってやつかのお?』
ここでこんなツッコミをいれてくるアホ猫。
『んな事あるか!!!!アホ猫!!!おい!!さっさといこうぜ!?』
俺は苛立ちを隠せないでいた為そう言い放ち先へと進む。
すると………いつの間にか消えていたアイスタイガー。
そして俺達は先を急いだのだった。
◇
◇
◇
『大分来ましたね………ここからもっともっと霧が濃くなってきます……気をつけてください……さ、ルキさん。』
ロンはそういうとルキの手をとり歩く。
『フン………ま、まあルキが危険になるのだけは避けなければならないからな。』
俺は誰に言ってるのだろう。
だがここは大人になり我慢してやろう。
所々に見える水溜りを手を繋ぎ、仲睦まじく、ひょいひょいと飛び跳ねていく二人。
俺は何故か苛立ちが大きくなってくる。
だが今はそれどころではないのだ。
するといつの間にか俺の頭の上に乗っていたアホ猫が声を上げる。
『ほぉ?この場所に眠っている宝が近いようだな?』
『ほお?よくわかったな?猫のくせに。』
『まあな………この僕は鼻が利くからな。』
『お前は犬なのか?』
『いや………どこから見てもこの姿が犬なわけあるかあほう。』
俺達がそんな会話をしながら進んでいくと。
目の前には巨大な神殿らしき建物が見えてくる。
するとロンが口を開く。
『ルキさん……ここはもう千界内部……そして……あそこに見える巨大な、あの神殿がこの地の歴史あるかつてのチェンウォンを救った者がその力を振るったとされる、我々の目指す『神器』が眠るとされる神殿です。』
『そうなんですか!?でも確かに私達の故郷でも神事の際は私も巫女として祈ったりしています。』
『へえ…………『
微笑みそう告げるロンは続ける。
『えへへっ!そうですか?私そんな風には見えませんか?』
『いやいや清純で純白な貴女はまさに竜の巫女なのでしょう………どうですか?きっと巫女様なのでしたら………きっと神殿から何かを感じた事でしょう……そして竜の巫女というのは選ばれし者………貴女がいるからこそ……あの神殿は開くのです。』
その言葉に驚き神殿を見上げるルキ。
確かに俺達の村でも神事があるとこの中でなにか祈ったりしている。
ルキにそんな力あるとは俺は驚きを隠せなかった。
するとロンとルキはいつしか扉の前に立っていた。
『この神殿の扉にはきっと何らかの力がはたらいているのです…………僕がこの扉を開けるきっかけを作る力を扉に込めます………そしてそれにルキさんも祈ってみてください。』
そういうとロンは扉に手を置く。
すると光りだす扉の一部。
そしてロンの手に重ねるようにルキの手が。
『扉…………さん…………開いてえええっ!!??』
◇
◇
◇
お読みくださりありがとうございました。
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