松本章子からの手紙 神奈川県放火事件について

枝豆コーヒーサラダ

上田勝男の目撃

上田勝男の目撃①

一通の手紙から始まる。


手紙は白い封筒に入っており表紙に私の住所と隅の方にこう書かれていた。


【松本章子を探してください】


…?


どうもこの名前どこかで聞いたことがあるような


にしてもこの書き方妙に惹かれる。


というのもこの【松本章子を探してください】という文字は

隅っこに明るい赤い字で書かれており、白い封筒とのコントラストもあって、その文字が強調されていて不気味だったからだ。


そんなことを考えながら私は封筒をきれいに開封して中身を拝見する。


…なんだこれは


そこに書かれていたのは、初めて外国人が日本語で手紙を書いたかのような文章力でそれは日本語をつぎはぎしながら作ったような不気味でかろうじて読める文であった。


一部読みにくいが多分内容はこうである。


私は松本章子です。

神奈川県放火殺人事件の犯人を知っています。


正直何を言っているのかわからなかった。

でも神奈川県放火事件は知っている。

3年前ほど前に連日メディアに取り上げられており

あまりにも悲惨で覚えている。


…あ


思い出した松本章子は神奈川放火事件の被害者だ。


確か…人里離れた家で松本一家が何者かに殺害されて

そのまま犯人が家を放火。

遺体は身元が分からないぐらい原型をとどめていなかったが

松本章子・松本理人・松本武夫が亡くなってる。

そしてその事件の犯人は現在も捕まっていない


また放火された家は、廃墟になっており

巷ではホラースポットとして人気になっている。

例えば燃やされた子供と母親の幽霊が出るとか

夜に行くと人魂が現れるなどの心霊現象が目撃されているらしい。


それが本当なら非常に興味深い


…ん?


私はある違和感に気が付く


私はこの表紙から松田章子を探している第三者からの手紙だと思ったのだが

手紙を書いているのは松田章子であり矛盾が生じている。


私は松田章子を検索にかけてみた

結局、それらしい情報に出会うことができず


この一連のことを第三者に見てもらいたくネットに公開した。


「いたずらだろう」


「脅迫文かも」


面白おかしく茶化す人もいた


でもある一つの意見に目が留まる


【松本章子さんが助けを求めているのかもしれない】


私はその方と連絡を取ることにした。


その方は木村さんという方で、趣味で廃墟を巡っているらしく

次に行く廃墟が神奈川事件があったあの廃墟だったので

調べているうちに私の投稿が見つかったらしい


木村さん曰く松田章子は何らかの状態にあり幽霊として助けを求めているという見解らしい

到底信じられないし馬鹿馬鹿しい

でもなぜか信ぴょう性があると感じた。

何せホラースポットで有名だったから。









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