第20話 arc de triomphe
「ねぇ、返事してよ!!」
クロは泣き叫んだ、涙をボロボロと流して
「こいつは死んだよ、もうどうすることも出来ない。」
クロの首をサッカーかのように足で操り蹴り上げ、リフティングをする
「こいつはっ……何も出来なかった……愚図だった……」ヨイショっと
頭を手に乗せて。クロの目と合うように無理やり顔の目の前に動かす
「嘘だろ……?雄一郎君が死ぬなんてことあるのか?」
よく見るとそれは血ではなかった。なにか液体のような赤い汁。
首は肉ではなく機械のようだった、カンカンと金属音がした。
だが首から上は肉だ、人間の顔をしている。
「あ?」
すると首がひとりでに動き出す、体に向かって転がり、ガシンと音がしたかのように思ったら立ち上がり、フラフラとした手つきで
「クロ…………刀を」
呼びかけ刀を貰い弱い力だが手に握る
「マジかよ!!流石は金色の暴君ナーヴェストヴル様って所か?」
大きく笑うとその顔はとても楽しそうに楽しそうに笑っている。
すると「うぉ!?!?」
ケンイチの体が大きく飛ばされる、時空移動装置へと飛ばされ、ケンイチと雄一郎の姿が見えなくなる
「ケンイチ!!!!」
金髪の女が追いかけようとするとクロが前を塞ぎエレキが後ろを塞いだ。
「どきなさい!!!!」
「無理だよ!!」「ここは行かせません!」
──日本。地下鉄響線──
突如紫色のゲートから出てきた2人を不思議そうに見る。
雄一郎とケンイチが出てきた場所は地下鉄響線の中。人も沢山いてまともに戦闘できる状態ではなかった。
「なにあれ?」「急に出てきたよ?」「てか刀持ってね?」「マジじゃんどういうこと!?」
人々が慌てふためくなか、宥める気力もなかった。
「ケンイチ、なんでお前は俺らを止めるんだ。」
「死ね死ね死ね死ね、日本に来てしまった、、、、、任務が、、失敗するるるるるるる」
バグったロボットのようになったケンイチに恐怖を抱き、その場で刀を構える
「ちょ!何してんのあの人!」
座ってた人たちも全員立ち上がり安全な場所へと避難をする
「ダメだぁぁぁぁ!!!!!ここで雄一郎もお前らも全員死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ケンイチは懐にあった機関銃を取り出す。
それは天の使うものと同じだった。
ドドドドと音を鳴らし窓ガラスを突き破り避難する人の頭や体を貫き血を吹き出す
「お前何してんだこの野郎ぉぉぉ!!!」
雄一郎は刀を使い弾丸全てを弾き、切り守り続ける。
だが、その集中力と気力はいつまで続くか分からない。
「目を醒ませ!お前は洗脳されてるだけなんだ!!」
すると唐突に発された大きな音に見合う超高速の弾丸は全てを貫き、4両目。3両目。2両目。1両目と扉を貫通し人々を貫通し運転手の頭を貫いた。
「さあああああらあらあら???終点ゆんんんんんんんまでに止めないととととと?みんな死んじゃうねぇええええええ???」
終点までは残り6駅。
スピードは上がり続ける、運転手がスピードを出したまま死亡してしまった。
「クソカスが…………」
すると、機関銃を自分の頭に突きつけた
「最後の抗いってやややややつつつつつ????今から死んじゃいまぁああららあらあらすすすすす??」
「よせ!!!やめろ!!!」
雄一郎は手を伸ばしてその男の自害を止めようとするが間に合わない
「ぐは?だね」
その男の脳天に弾丸が突き刺さり貫く。
血が吹き出す、目が白目を剥く。
「嘘だろ…………」
その場に膝を付いて倒れ、その場で意識を失った。
終点の新木馬駅。
猛スピードで突っ込む1編成の列車がいた。
駅の先は終点だからもちろんのこと車止めと壁。
列車を待っている人達が30人はいた
「ん?なんか早くね?」「待って待ってwやばいじゃん」「気のせいでしょ」「……ふーん」
ちょっとしたトラブルに興奮していたのか、笑って、楽しそうにしていた。
風が強い台風や、少し大きく揺れた地震など、滅多に起こらないトラブルや現象にワクワクするバカみたいな気持ちは、大人になろうが少しは残っているものだ。
「………………終わった」
雄一郎はその言葉を残し、旅立った
その列車は強く壁と衝突。
火花と血と爆発物を散らして駅に轟音が轟いた。
ホームにいた人、列車の中にいた人はもちろん。
仙波雄一郎もが死亡。計死亡人数は『65人』
後に見つかった事故現場には、傷一つ入っていない見たこともないような刀があったそう。
───フランス。凱旋門───
「早くなってよ!!!!」「分かりませんよ!その機神化とか言うやつ!」
金髪の女が叫ぶ
「何食っちゃべってるんだよ!!!!」
金髪の女は踏み出そうとした瞬間、足がふっと動かなくなりその場に倒れ込む。
「お兄様が死んだ!!!!!あぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
金髪の女、いやナツキが自分で自分の首元を切り裂き自害をした。
「え?」
「何が起きたんですか?」
エレキもクロもその場に放心する事しか出来なかった。
「……!!そうだ時空移動装置だよ!雄一郎のところに行かないと」
クロはエレキとアイコンタクトをして時空移動装置に入る
「ここ、地下鉄の線路?」
「日本に来たんですね!!!地上にあがりましょう、きっと雄一郎さんもいる!」
近くあった駅を利用して階段を駆け上がる。
「待ってください!あれ!」
地上に出ると大きなビルに電光掲示板のある建物。
その建物の電光掲示板にはニュースが映っていた
(速報です……新木馬駅に速度を上げた鉄道が衝突する事故が発生しました。その際に死亡した人数は65人を超えると言われています)
「……………………勘違いだよね」
「え?」
クロが脅え、もしかしたらと言う不安に駆られながら声を何とか出す
「行こう、新木馬駅に」
着いたのは10分後だった、本気で走ってもなんとか10分で新木馬駅に到着した時には、もう遅かった
「嘘でしょ?」「その手…………」
クロとエレキが新木馬駅の立ち入り禁止の看板を無視して入った事故現場には、血だらけの死体が何体かと、手があった。
その手は、見覚えのある。クロが愛した、クロが愛された男
「雄一郎…………雄一郎トレーナー…………」
仙波雄一郎。死亡。
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