第12話 変革
「俺は………金色の暴君。『仙波雄一郎』だ!!!!!!!!!」
俺の目からは、手からは、足からは、金色の稲光が閃光に輝く。
俺の目には全てが見えていた。次にどんな動きをするのか、砂埃がどこに移動するか、目が何mm動くか、全てが感覚として予測がつく。
その予測通りに動く。次にシオリが手を前にかざし手刀の構えをする。
砂埃が南南東方面に0.05mmに動く。
目が0.0008mm左側に動く。
「なんなんだこいつッ、全ての攻撃をかわす!?」
「……っ!当たってよトレーナー!!!」
「もう俺に捨てられたんだろ?ならお前は俺のトレーナーなんかじゃないんじゃなかったのか!?」
俺は脇腹の傷を手で覆い隠すと瞬時に傷が埋まる。
「はぁ!?なんなんだよお前……人間じゃないだろ!」
「サイボーグが言えたことか?バケモンが、大人しく化け物に殺されろ。」
俺は傷口を塞ぐと速攻で動き足を上に上げ、シオリに当たりそうで当たらない場所に蹴り上げ、体制を崩させる。
そして俺はすぐ体を反らせ体を上に起きあがらせる。
そしてシオリの顔に自分の顔を近づけ耳打ちをするかのように大きな声で叫ぶ。
「シオリ!!!もしまだトレーナーになりたいなら、俺の話を聞け!!!!」
シオリは一瞬迷ったかの表情を見せると。、その気持ちを振り払うかのように顔を横に2回振り手刀を雄一郎の顔に刺すように動く。
「黙れ!!!私を捨てたのはお前だ!どんな理由があろうとも1度私を捨てたんだ、、お前が!!トレーナーなんかじゃない!雄一郎……トレッ!雄一郎が!!!!!」
1度口が淀んだ。でも俺は気にしなかった、もう諦めていたんだ。
諦めていたと言うより、正気を失っていた、正直に言うとあの頃の俺は俺じゃなかった。
『仙波雄一郎』ではなく『金色の暴君』として体が動き考えをしていた。
「なぜだ……なぜお前は諦めない!!!もういい!!」
親指がスイッチに届き、ボタンを押す音が響く。
それは、轟音の中に轟くひとつの小さな音だった、なのに俺の頭の中には大きく響いた。
実際には聞こえていないのに、何故か脳内で再生されていた。
「やめろ!!!!!」
俺は金色の暴君だ、なのにクロが変わってしまうことを拒んだ。
金色の暴君のままでも、俺はクロが好きだったんだと気づいた。
「クロのチップは巨大化し、数秒で脳内を埋め尽くすだろう。」
するとクロは身体を震わせ、黒い稲光を体全体に走らせ、地響きを巻き起こらせ、地が割れ、頭が割れそうな音が鳴り響く。
六連も驚くほどの音を鳴らし、泣き叫んでいるかのように口を大きく開き。白目を向いている。
「想像以上だ……やはり君は最高だ!クロ!!!」いや……
『クロノニグケドール』よ!!!!!!この世を終焉へともたらしてるのだ!
六連が叫ぶと、時空移動装置に体を戻らせ、逃げるかのように汗をかきニヤけた顔を顕にしながら顔を時空移動装置に吸い込ませそこから時空移動装置が消える。
空気のようにサラッと、そこには何も無かったかのように。
「……クロ?」
「いいえ。私はクロという名前を捨てました。『クロノニグケドール』と申します。あなたを殺すと。トレーナーに命令されました。」
なるほど、と俺は勘だが何となくわかった。
あいつがしたことは洗脳だったりすることでは無い。あいつはクロの研究をするといい、自分のSilver Variationにさせようとしていた。
「クロ、お前のトレーナーは六連なんだな、、」
俺は諦めたかのように体から力が抜け、髪が黒に戻った、
戻ったと思ったが髪は金のままだった、クロだけじゃなく、俺も六連に変えられてしまったのだ。
果たしてそれはメリットなのかデメリットなのか、それは分からない。
「………シオリ。俺はお前を捨てたんじゃない、お前を救うために、お前から離れたんだ。」
シオリはゆっくりと近づいてきた、その手には大きなコンクリートの破片を持っていた。
「クロを救いたかった。同時にシオリを大事にしたかった。それだけなんだよ」
………………これでいいんだ、俺はここで死ぬ。
誰かに殺されても殺されなくても、俺という俺はここで死ぬことになる。
「ありがとう」
俺は後ろから近づいてきていたシオリのコンクリートに頭を殴られ、気を失った。
ここで殺されなかったのはシオリの優しさか、哀れみか、それは本人に聞くしかない。
でもあいつはもう六連の手の内だ。俺なんかの手からはもう離れ、今は六連と手を繋いでいる。
あいつはもうシオリじゃない、クロもクロじゃない。
俺も俺じゃなくなっていた。
────────現在。現地球中心部
「これが全容だ。そして俺は雄一郎という名前を捨て「ナーヴェストヴル」と名を変えているって事だよ。」
俺は衝撃を受けた。口調だけでわかった、こいつは仙波雄一郎だ。
見た目も中身も変わっているのかもしれない、だが俺の中の雄一郎は生きている。
「……雄一郎」「古い名だ、やめてくれ」
「わかったナーヴェスト。俺はヤミを取り戻したい。」
「奇遇だね、僕は向こう側にいるシオリ、、いやオシオリヴォースを取り戻したい。」
俺らの目的は、標的さへ違えど、やることは一緒だ
「でも、俺のSilver Variationも、お前のもいないだろ?戦力が無さすぎる」
ニヤッと笑った。雄一郎、いやナーヴェストが
「戦力は確保した。お前の部下。笹島とローズ?そして」
鎧の女が歩いてきた。
鎧ではなく、それはサイボーグの機械だったようだ。
「俺の愛した人。クロノニグケドール。いや、「クロ」だ。」
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