第7話
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「おい“ゴミ”! 今のお前は 4 人殺して経験値は総計 280 。レベル 2 到達に必要な経験値 200 を超えているっちょ。レベルアップと同時に精神力は全回復し、スキルポイントも 1 あるっちょ。今はスキルポイントは放置して新たな武器召喚をするっちょ」
「新たな武器召喚!?」
「あの騎兵突撃を打ち破る為の武器を召喚するんだっちょ!」
「また殺すのか!?」
「ならば一方的に鏖殺(おうさつ)されればいいっちょ! 思いっきり嗤ってやるっちょ! ほら! 早く死ねっちょ!」
「くそっ! 死んでたまるかよ!!」
「ならば真言を唱えるっちょ! オン・マリシエイ・ソワカ! 出でよ! 我が金剛杵 FN M2HB-QCB MK2!」
「オン! マリシエイ! ソワカ! 出でよ! 我が金剛杵! FN M2HB-QCB MK2 !!」
眼前に光球が顕現し、徐々に武骨なシルエットへと形を変えていくと、長い銃身と三脚を備えた重機関銃が姿を現す。
FN M2HB-QCB MK2 仕様・諸元
全長: 1,658 mm ( 65.28" )
バレル長: 1,143 mm ( 45" )
重量:
本体:38.150 kg (± 84.11 lb )
三脚含む:58 kg
発射速度:485 - 635 発/分
有効射程:2,000 m
最大射程:6,770 m
使用弾薬:12.7 x 99mm NATO 弾(通常弾、焼夷弾、徹甲弾など)
ベルト給弾方式: 1 帯 110 発
FN M2HB-QCB MK2 が使用する 12.7 x 99 mm NATO 弾の運動動エネルギは 2 万 195 J 。
この重機関銃は、その弾丸を 485 - 635 発/分の速度で連続発射可能だ。
対人は勿論、対物、対航空機にも用いられ、1921 年の米軍正式採用以来、百年以上も使用続けられている不世出の傑作重機関銃、ブローニング M2 重機関銃の最新改良型こそ、この FN M2HB-QCB MK2 であった。
「素晴らしいっちょ! まさに殺意が具現化した存在! これまで数億の人々の血を吸い続けてきた機能美の極致だっちょ!!」
ウリ坊は恍惚とし“ぶひぃ”と嘶くと、その場で“ジャージャー”と大量に放尿した。
「……この神猪様、大丈夫なのですか?」
ロレンツォディが恐ろしいものでも見た様な顔で聞いてきた。
「気にしないで下さい。こいつ、狂ってるんで」
「失礼な! このクソ“ゴミ”がっ! 殺すぞ!!」
次の瞬間、ウリ坊は自分の小便の中を転げ廻った。
「ぎゃー! お赦しください! 姫様ぁ!!」
ウリ坊の絶叫を聞きながら昌智は FN M2HB-QCB MK2 の本体上部にある遊底覆いを開き、弾帯を手動でエキストラクターをリムの上に置いてカバーを閉め、チャージングハンドルを引き戻し、薬室内に 12.7 x 99 mm NATO 弾を装填した。
FN M2HB-QCB MK2 の顕現と共に、昌智の脳内に次にすべき事が明確な形となって次々と思い浮かんでいたのだ。
「……これが“加護”の力なのか……」
まるで熟練兵士の様に鮮やかな手順で発射準備は整えられた。
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