第3話 そして……復讐が始まる
異世界にクラスごと転移したあとにマサヤは、最強のチート能力を手に入れる。
そして——
『「よぉ、ケンジ。久しぶりだな」
異世界の荒野で再会したケンジは、モンスターに追われて逃げ惑っていた。
「た、助けてくれ!」
「助ける?お前が俺にしたこと、覚えてるか?」
マサヤの隣には、異世界で仲間になった美しい女戦士エリナ。
「まずは便器の味、思い出してもらおうか」
マサヤが指を鳴らすと、ケンジの目の前に汚物まみれの便器が現れる。
「や、やめろ!」
「やめろ?お前は俺がそう言った時、やめたか?」
エリナがケンジの頭を掴む。何度も何度も便器に顔を突っ込まれるケンジ。泣き叫ぶ声が荒野に響く。
「次は石ころの味だ」
マサヤが手を振ると、無数の石が宙に浮かぶ。
「購買のパン代、全額返済してもらおうか。利子付きでな」
石がマシンガンのようにケンジに降り注ぐ。一つ一つが肉を抉り、骨を砕く。
「痛い!痛い!もうやめてくれ!」
「まだだ。お前は俺を何年苦しめた?」
今度は巨大な文字が空中に現れる。『キモオタ』『死ね』『消えろ』
「お前が俺の教科書に書いた言葉だ。全部、体に刻んでやる」
燃え盛る文字がケンジの体に焼き印のように刻まれていく。皮膚が焼け、肉が焦げる臭い。
「ああああああ!」
「まだ終わらない。体育の時間だ」
ケンジの服が消え、ブリーフ一枚になる。周囲に無数の異世界の住人が現れ、指を差して笑い始める。
「どうだ?晒し者になる気分は」
「もう...もう許してくれ...」
「許す?」
マサヤの目が冷たく光る。
「最後は、お前の大好きな給食の時間だ」
生ゴミが山のように現れる。腐った食べ物、異世界の汚物、全てがケンジの口に詰め込まれていく。
「うえええええ!」
「全部食え。お前が俺にやったように」
何時間も続く拷問。ケンジは最後には廃人のようになり、涎を垂らしながら地面に這いつくばる。
「これで1日目だ。お前が俺をいじめた日数分、毎日続けてやる」
マサヤの宣告に、ケンジの目から正気が消えた』
復讐シーンは執拗なまでに詳細に、そして残酷に描かれていた。現実では何もできなかった雅也が、異世界では圧倒的な力でいじめっ子たちを完膚なきまでに破壊していく。
「現実でできなかった復讐を、異世界で」
作品のキャッチコピーが妙に心に刺さる。
『ちょっとね、直接話したくて...今度の日曜会える?』
美咲からの新しいメッセージ。
心臓が高鳴った。小説のことなんか一瞬で吹き飛んだ。
『もちろん!どこで会う?』
即答していた。
6年ぶりの再会。美咲と会える。それだけで頭がいっぱいになる。
でも、ふと疑問が湧く。
なぜ美咲は、この小説のことを俺に?
不安と期待が入り混じりながら、日曜日を待つことにした
つづく
《次回予告》
「再会とネット炎上」
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