鉅鹿 その2
劉秀、翌日から柏人を攻めるが、李育は堅く守る。二日三日となっても守りは揺るがぬ。
劉秀の兵、鉅鹿に到れば、王郎の守将
王饒の居城鉅鹿を囲んだが、幾日経てど落ちず。五日過ぎ、十日過ぎ、十五日が過ぎる。
一方、王郎は将を遣って信都を攻めさせる。信都の豪族
邳彤、劉秀に涙を流して報じて曰く「君主に仕える者は家を
また李忠、校尉である馬寵の弟を招き寄せ、責め
李忠、応えて曰く「
劉秀これを聞いて善しとし、李忠に言いて曰く「今、我が兵、体を成せば、将軍帰って老母と妻子を救うべし。
李忠曰く「明公の大恩を蒙り、命を捧げられればと思えばこそ。誠に敢えて内に一族を顧みず」
劉秀、そこで信都郡太守
劉秀、ありがたいと思ったものの、信都を失ってまた常山を失ってはと、本音で返して曰く「
すなわち鄧晨を
時に、皇帝劉玄から遣わされた
事態を打開したいと思ったのは劉秀だけでなく、鉅鹿を救おうとする王郎の側も同じであった。信都を基点に将倪宏・劉奉に兵を集めさせて、数万の軍は南下する。劉秀は鉅鹿から北へ対抗軍を出せば、空いた信都は龐萌が襲う所となり、太守宗広、邳彤・李忠の宗族は救われ、李忠が太守を兼ねる所と為る。李忠、豪族の邯鄲に
一方の劉秀、王郎の将の倪宏らを
まず歩兵が当るが、王郎の兵勢いあれば劉秀の軍は退く、
上谷・漁陽の騎兵、手綱を離し、左手で弓を構え、右手で
幽州突騎、王郎の構える兵には側面から攻めて
王郎の兵、流石に
劉秀は、飾らず自分の思うことを言う。しかし、
平原の戦いは制しても攻城戦はまた違う。完全に包囲し、援軍を
耿純曰く「いつまでも王饒に構っておれば兵は
劉秀、耿純に返して曰く「良くぞ申した。それ善とする所なり」
劉秀が攻城の長きと為るを厭うのは当然であった。まだ一年と経たない
南䜌の決戦が決定的であった。この戦いで王郎の主力は
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