6.友達の話

 私にはハッキリと友達と言える人がいない。

 子供の頃は多少気にしていたものの、成長するにつれあまり気にならなくなった。そもそも幼い頃から一人で自由に過ごすのが好きだったし、逆に他人とべったりつるむのが嫌なので、友達以下で実際会ったしやりとりをしたりする時に適切な関係を築くぐらいが丁度いいのだ。これは仕事でもプライベートでも同じである。

 私にとって理想的な関係はお互い距離を取り、楽しいことや必要なことだけを共有し合える関係で、やたら相手のことを知りたがる人や、自分の事を知って欲しいと強要してくる人は好きじゃない。女性に多いと思うのだが「私の考えていることを察してよ」とか「言わなくても分かるでしょ?」という人とは正直関わりたくない。正直そんなことは言わないと分からない。そんなことを察するのに労力を使うなんて、労力の無駄遣いにしか思えない。

 その点、ネットでの関係は楽だ。

 もちろん、深くのめり込みすぎると犯罪に巻き込まれたりトラブルになったりするが、裏を返せば浅く広く関係を築くのに丁度いい。私は作品の宣伝用にSNSを使っているが、反応があると嬉しいし、私の作品を好いていてたまにやりとりをする人も少数だがいる。そんなネット上での関係が私には心地いいのだ。

 多分、人間関係は友達に固執するよりも、自分に丁度いい関係を築く方が大事なんだと私は考えている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る