[執筆休止中]転生したヨウヘーさん――異世界にて撃鉄を起す!
平澤唯
第一章 家族
第一話 知らない森、でも動けない
……弾ける砂埃。宙を微細な砂がまい、視界は赤褐色に薄く包まれている。土を小刻みに衝撃が襲い、そのたびに砂が跳ねた。俺は土壁の遮蔽でその「嵐」が止むのを待っていた。あたりには、薄土色や薄茶緑色のまるっこいまだら模様の服を着て、赤いてんてんを体に表して倒れた男たち。獣に襲われているような、恐怖とも怒りとも言いがたい感情……そんな気がした。周りがいっそう赤く染まった。壁から身を乗り出して獣の咆哮を上げた。手には少し重たい機械を構えて、それは火柱を向こうへチラチラ飛ばしていた…
途端、頭が弾かれたように空を向いていた。衝撃が頭部を襲って、青空を一瞬見たかと思うと、まっ暗くなった…
目を開いたかも覚えていないが、緑が目に入ってきいた。木の葉だった。動物の声が聞こえて、肌を日差しが撫でた。体がまるで動かない。金縛りにでもあったように、でも不思議と不快感のない鈍重感。森の中で眠るような魅惑に見を委ねられてみるのも……なかなかいいかも…しれない……
……
男は森で倒れていた。陽は傾いており、もう数時間もしない間に真っ暗になってしまうだろう。だが、男は起きる様子がない。そこへ赤と黒の体毛で覆われた狼のような獣たち数匹の群れがやってきた。瞳を真紅に染めて、倒れた男を草藪からまじまじと観察していたが、一匹が唸り声を上げると、群れは走り出し、男の元へ駆け寄ると、その体へ食いつき始めた。
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