修練の果ての決闘ー破ー

「「「「「「「「「???????」」」」」」」」


決闘を傍観していた者達の間に大きな大きな疑問が浮かぶ。


うん。スーパー美少女天才魔術士たる私でも完全に予想外

蛮族がその場に沈んだ。

いや、蛮族の周りの土がなくなっている。


「・・・・・落とし穴?」


私がそうつぶやくと周りの者達がぎょっとした視線で私を見てくる。


いやー昔よく作ったなぁ。

公爵邸内すべての人間を自作の落とし穴に落とすと画策していた。

お父様とお母さまだけが引っ掛からなかった。そしてメッチャ怒られた記憶。


いや、そんなことはどうだっていい。


いや、なるほど、落とし穴か。

大体の魔術士って魔術のことしか頭にないから地形とかあんまり意識裂かないんだよねぇ。それは戦士も同様。


今、私すっごいワクワクしている。

例えるなら、人々を引き付けてやまない最高の道楽を見ているような気分だ。


さてさて、これから何を見せてくれるってんだい?アル君?





「あー。痛てぇ。どれだけ殴ってんだよ。ふざけやがって」


影魔法で土の中を抉り抜き、そこにメスゴリラを湯どうさせる作戦だったんだが、思いのほか大成功。


「てめぇ!!ふざけやがって!!出せ!!出しやがれ!!」

「誰が出すか。ブワァァァァカ!!おいおいおい、何怒った顔してんだ?引っかかったお前が悪いんだぞ。お!ま!!え!!!が!!!!」


さてここからはリンチのお時間です。


「『立ち込めよ。我は主。汝の一部を顕現せよ』!!」


俺の頭上に黒い泡の塊みたいなのが浮き出てくる。

それは徐々にでかくなり、巨大な両腕となる。


「そういや、名前つけてなかったな。よし、『冥腕』にしよう」


両腕にの先に拳を作る。

この闇は物質化されている。故に、


「オラ!!」


魔法単体で物理攻撃を可能とする。

今の俺には二本が限界。


「よし、リンチ執行」


両の腕を固めてゴリラを殴り続ける。

やられたらやり返す。


「やられたらやり返す。100倍返しだ」


殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴り殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴る!!


だが、さすがに魔法を使い続け、動かし続けると疲れる。


「おい、どうした?来ないのか?それとも、負けを認めるか?」


煽る。疲れていることを悟らせるな。煽って煽って煽って時間を稼ぐ。


「・・・・・」

「どうした?もう終わりか?その程度なのか?いきってたくせにそれまでなのか?」



!?

地面が震えている。ゴリラの周りの土が割れる。

あ、これ不味いやつだ。


「ガアァァァァアアアア!!!!!!!!」



暴虐の女帝が目覚めた。

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