彼女の名はマーキュリー・バーナディネリ・バーンスタイン
※なろうからそのまま移して、いろいろと推敲して打ってるけど、この時の俺は何を考えて書いていたかわからない。
特に、『不吉』のところ。説明不足ってのはどうなの!?
おかげで推敲がすごい面倒。
豆知識:中世時代では流星は『不吉』の象徴。多分そっからきている。クッソ説明不足ですね、ファァアアアック!!
というわけでメインヒロイン(予定)初登場!!
あの事件から二か月が経った。
いじめは相変わらず続いている。
いじめてくる奴は増えるが、「別にどうでもいい」という精神状態で日々を乗り切っている今日この頃。
あの魔法はまだ見つからない。
蔵書を片っ端から読んでも存在が見当たらない。
先公に聞いても「そんな魔法は存在しない」と言われる始末。
この件で一番ひどいのは、流星群という言葉を発した瞬間にいじめっ子が「不吉だ不吉だ」と囃し立て、それが伝線した結果、そん時の講義自体がおじゃんになった。
どうやらこの世界では占星術云々で「流星=不吉」らしい。知らんがな!!
この件以降俺のあだ名が『不吉』になった。死ね!!
自称豆腐メンタルな俺だが、目的があると、こういうことがあっても気にしなくて済むということが分かった。
知りたくもなかった。
とりあえず、星の本ばっか読むのは止めよう。
さすがにあのあだ名が広まるのは勘弁してほしい。
そんな風に思いつつ、俺は今日も本の虫になる。
★
時は数日前にさかのぼる。
この学院には様々な身分の生徒がいる。それは大貴族も含まれる
そんな大貴族の中でとりわけ有名な少女がいる。
彼女の名はマーキュリー・バーナディネリ・バーンスタイン。
バーンスタイン公爵の一人娘にして、『今学年一番の才女』と口々に謳われる才色兼備の少女。
彼女はいつも通り、自分から強引に御付きとなった少女三名を連れて学院内の廊下を歩く。
彼女の眼にはこの世界がどう映っているのか?それは彼女のみが知りうること。
「マーキュリー様。聞きましたか?『不吉』というあだ名」
「?それはどういったものなのですか?」
さすがの彼女も『不吉』の二文字だけを聞いて、あれこれ憶測で話すことも、話の展開もできない。というかその人を知らない。
「同学年にですね闇系統の魔法の適正がある、将来大悪党筆頭と呼ばれる男子生徒がいるんですが」
「その人は悪党なのですか?何か罪を犯した過去が?」
「いえ、そういうわけではなくただそういう風に呼ばれているというだけで・・・」
マーキュリーの追及に徐々に口をつぐむ御付きの一人。
マーキュリーは周囲に気づかれないように気を付けながら冷ややかな目でその少女を見る。
その少女はそのまなざしに気づいていない。
「それで?その人がどうかしたんですか?」
「いえ、その男子生徒が流星群の話をしだして・・・」
「流星群?」
この世界で流星群は不吉という意味で最も知られたものである。
過去、様々な占星術師が流星によって多く重要人物の死を予見し、すべて的中してしまったのだ。
だが、彼女が不思議に思ったのはそこではない。
「つまり、流星群について言及したから、その男子生徒は『不吉』と呼ばれているのですか?」
「そ、そうです!!」
先ほど口を開いた少女とはまた別の御付きの少女が感嘆の声を上げる。
「流星群の話をするなんてモラルがなってません!!」
「そうです。いくら意図があったといえど、公共の場でそのような発言をする・・・」
「やめなさい。ここも公共の場ですよ?」
マーキュリーの一言で高揚してしゃべっていた彼女らは口をつぐむ。
「ですがそうですね、あまり公の場で言及すべきことではないですね」
「「「そうですよね!!」」」
そうして、『不吉』と呼ばれる少年の話は収束していくのであった。
★
ここはマーキュリーの自室
部屋の隅では大きな壺上の鍋が黄緑色の泡を吐き出している。
さらに壁には見るからに高価そうな箒とともに三角帽子・ドレスのような意匠が付いたスカートの衣装セットが掛けられている。
掛けられている物には目もくれず、彼女は大きな息を吐きながらレースカーテンが付いたベットに思いっきりダイブする。
「クロ、いるんでしょ?」
部屋についた窓が開き、体が真っ黒な黒猫が入り、徐々に猫の獣人メイドへと変貌する。
「なんでしょうか。お嬢様」
「あ・の・魔・法・って今まで誰にも見られてないよね?」
マーキュリーは先ほどのお嬢様然とした口調ではなく、フランクな口調でメイドに問う。
「はい。間違いございません」
「じゃあなんで流星群なんて話すのかしら」
「先ほどの御付きの少女たちが言っていたことですか?」
「そ」
「『不吉』という二つ何は思わず苦笑しましたが、過去を鑑みれば流星群を言及するなど普通ではありませんね」
「私は好きなんだけどなぁ。流星群ってきれいじゃない」
公で聞かれていれば追求待ったなしの発言。
「お嬢様、話がそれています」
だが、メイドはその発言を諫めることはない。
幼き頃より幾度となく聞いてきたからだ。
「私の魔法の話をしているのならさっさと口を閉ざさせるのが手っ取り早いのだけど・・・」
「お嬢様がその少年と会うと余計に話が広がる可能性があります」
「そうよね。・・・・・クロ、この学園の魔法管理ってどうなってる?」
「・・・・お嬢様、寮に忍び込むのはよろしくないかと・・・」
「ちぇっ。駄目よねぇ」
少女はベットから飛び起き、したり顔をする。
「どうなさるおつもりで?」
「いっそのこと、正面突破が一番手っ取り早いと思うの」
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