11話

記念式典のある各場所にて魔物を倒し避難誘導を行うSランク達、Aランク達の学生と魔物を倒してくれと頼まれたリン…公演の場所にて戦う進化、子供、聖女、幽霊と合体した賢者と理事長そして空で戦うコンと魔物を生み出しつづける道化…視点はコンへ。


「おっと!!空飛ぶトラックに気をつけて!」

「危ねぇ!!」

「おや?今度は愉快な動物達がやってきたぞ⁈」

「ッ⁈」


そう…道化の正に自由な戦いに翻弄されつづけていた…。


「ヒヒ…人生は正にげーぇぇむ!!さぁ退屈にはさせませんよぉ?」

「なんだこのゲームにありげなゲージ!」


突然目の前に緑のゲージが現れ、触ってみる…動かせるのでとりあえず頭の上に移動させた…って道化もあんのか。


「そう…これは純粋なゲーム…小生はなぁぁんだって出来る!!」

「ッ⁈何かくる!」


すると今居る空よりもさらに上から何かが落ちて…タライ⁈ってしま…⁈


「またもや小生に隙を見せましたねぇ!!」


今度もまたすり抜け…いや!転移!!。


「ヒヒ…おや?今度はすり抜けにも触れるように準備してたんですが…」

「だろうと思ったよ…なら…って地味に痛いな!タライ!」

「アヒャヒァヒャア!!!!どうです?面白いでしょう」

「あぁ……むしろ気分上がるな…!!」

「ッ……」


一人でも喋ってそうな道化が急に黙ったので今の隙に!!。


「魂障壁!!横展開!!」


今も降ってくるタライがやかましいので魂障壁でこの場全体よりもさらに広く下の人を守る為に使った。


「ヒヒ……ヒヒヒヒ!!やはり貴方は良い…!!さぁもっと一緒に踊りましょう!!」

「テメェと踊るなら足を踏みまくってやるよ!!」


突如道化の背後から多数の仮面が現れ、トランプのようなものをこちらに撃ち込んできたがそれをすり抜けを時折使いつつダメージ覚悟で接近するけど近づけず…。


「アヒャヒァヒャ!…己を顧みない自己犠牲のようなその戦い方…無謀で小生は笑えない!笑えない!」

「そうかよぉ!!なら笑えるようにしてやらぁ!」


接近出来ない…一旦初期状態の自分の分身を32体ほど増やして攻める。


「ヒヒ…ならこちらも増えるまで!」

「さらに!魂の手!!」

「ウヒォ⁈巨大な蒼炎の手がこちらに⁈」


エンカ戦で見せた俺の異能によって作った拳の時の技で次々と分身体の道化を倒しつつ、

本体らしき道化に近づく。


「小生も負けてはいられない!!中にあるのはなんだろな!!…ウヒォ⁈小生は運に恵まれている!!ポチッとな」

「ッ⁈ぬぎゃあああ⁈」


突如、道化の押したスイッチにより残ってた俺の分身と一緒に爆破した。


「痛い…が病死した時よりかは問題ねぇ…」

「ヒヒ…普通なら死ぬ程の痛みの筈…貴方の左肩から先がありませんよ?最も貴方特攻の爆弾スイッチなので傷の治りも遅い…どうです?…追い込まれている感覚は!!」


そうコンは爆弾を喰らい左肩からあるものが無くなっていた。


「いや…追い込まれている?むしろ逆だ…俺がお前を追い込んでんだよ!!」

「威勢も行くとこまで行くと負け犬の遠吠えみたいですね」

「そうか?…けどこの状況、俺としては…!!」

「………貴方ねぇ…!!」


道化はまるでイラつくかのように何も無い所から列車や魔力による弾幕攻撃、トラックに

愉快な動物達…思いつく限りの攻撃をしてきたがそれを回避し続けながら俺は考える。


『面白いが嫌なのか?…それよりも俺のゲージが半分くらいになってる、体力ゲージだこれ…だって攻撃あまり喰らって無い道化の方多いし』

「ヒヒ…そうですよね…この小生、とっておきがあるんでした…嫌な事を思い出させた貴方への贈り物を!!」


遠くまで行きやがて消失していく道化の攻撃を確認した俺は道化の次の攻撃に備える。


ーー小生は笑うこの世の不条理を愚者の饗宴ーー


突如、今居る場所周辺が一つの絵に塗りたくるように道化を中心として侵食し始めるからか魂障壁も壊れていき…まるで秩序と価値観の違う世界観に来た。


「ッ⁈」

「生涯が異能になるこの世界……実はまだ異能には先があるのです…まるで小生達にとっての長い…ながーーい人生のように…やがてその者にとって生涯の答えを得た者には世界を塗り替える力を手にします…こんな風にね」


周囲は…まるで自由が満ち溢れているようで、さらには仮面があちらこちらで俺を笑うかのように、空には巨大な仮面がこちらをただ笑うようにじっと見つめている。


「ヒヒ…ヒャヒャヒャヒャ!!!」

「ッ⁈なんだか気力が…」


そう気分も下がってるみたいで…。


「そうでしょう!そうでしょう!この世界において!!ヒヒ…ヒヒヒヒ!!」

『ッ!!笑いながら戦えば良いんだがどうやら回りの仮面からも笑い声がする…すでに道化の…いや本気を出したと言えば良いのか…どうすればいい…』


今も気力が失われていく今、気分によって上がっていた魔力も下がっていって。


「兎も角、動くのみ!」

「ヒャアヒャヒャヒャ!!無駄ですよ!!」


トランプのダイヤやクローバー、スペードの形をした魔力の弾幕が襲いかかってきてさっきのようにすり抜けを使いながらも魔力が減っていってるのでなんとか回避しつつも。


魂の刀を作り転移で道化の背後に現れ、即座に振り翳して斬るよりも突きにいった…が。


「ヒヒ…!!まさか振り翳すよりも突きとは

…手を貫かれましたがこの程度…ッ!?」


道化が驚いたのは…今も傷の治りが遅く、無い筈のコンの左腕が蒼炎そのもので形作られ、道化の首をコンの蒼炎の右手にある作った刀で切られようとしていたが…道化の残った片腕により完全に斬れない。


「まさか!治りが遅いなら作るとは!やはり貴方は人間じゃない!」

「こっちはギリギリでね!!もう後には引けない!!」


気分も気力も減り、追い込まれたら強くなるコンへの小生は笑うこの世の不条理をの、笑われる者は弱くなるにより段々と人の姿すらも維持出来なくなっている今、コンは引くに引けないのだ。


「うおおおおおおおおおお!!!」

「ヒャヒャヒャアヒャヒャアヒャ!!」


ゆっくりと首が斬られそうになるのに道化はさらに笑う事で斬られまいとするが。


『小生は一体何を馬鹿正直に抗っている?異能で騙してしまえば……いや…小生はこの男を…』


…内心、小生はこの男…コンに対してイラついているのだと理解した…だからこそこの男の背後にトランプの騎士を出現させて背中を斬らせた。


「あぁ⁈ア…ガァ!!?」

「ヒヒ…チェックメイトです」


そして笑った事により魔力が増え、強化された魔力弾の弾幕を道化はコンに向けて集中砲火を行った…やがてコンは地上へと落ちていった。


「……」


散っていくコンを道化はかつての大切な思い出を思い出しながらも悲しそうに見つめ…やがて。


「ヒヒ…ヒヒヒヒ」


トランプの騎士達を大量に出現させながらも

思い出の自分と同じように笑っていた。


場所は変わり…リンは?。


「ッ⁈⁈コン…?」


そうコンが居る空を見ると落ちていくコンを見つけ…。


「コン!!」


リンは高速で移動しつつコンを助けるべく向かい…なんとかギリギリの所でコンをキャッチして高速で移動した反動を殺せなかったのでコンを抱き締めたまま建物にぶつかった。


「ッ…!!痛いけど…コン!コン!大丈夫なの⁈」

「…」


コンの身体はもう第二形態が解けており、左肩から先が無く所々削れてるのか蒼炎ばかりだ。


『多分魔力が無いのかコンは今、弱まってる…私の魔力を渡せばいいけど』


そう思ってる間に空からトランプの騎士がやってきた。トランプの騎士の姿は何処にでもありそうな西洋の甲冑の背中にトレードマークのようにダイヤやスペードが記されている。


『どうも渡せそうに無い状況ね…!!』


けど初めて出来た友達を見捨てる訳にはいかない…そう決意するリンはトランプの騎士達とコンを守りながら戦うのだった。


さらに場所は空高い場所へと移る…。


サルビア人類都市にしばらくもすれば辿り着けるだろう竜が近付いていた。

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