選択執行スキルで異世界成り上がり──君の一票で未来が決まる!

湊 マチ

序章 登場人物紹介

序章


暗闇の中に、声が響いた。


――《転生者よ。汝にスキルを与える》


少年・天城蓮は、その言葉で目を覚ました。

確かに、自分は教室でうたた寝していたはずだった。

ノートに頬を押しつけて眠って、次に目を開けたら……そこは、巨大な石造りの神殿だった。


「ここ……どこだ?」


問いかけても返事はなく、ただ宙に浮かぶ光のパネルが目の前に広がっている。


――《スキル:選択執行》

――《効果:他者が下した選択を必ず実行する》


「……なんだよ、それ」


剣も魔法も使えない。強靭な肉体でも、膨大な魔力でもない。

あるのは、「他者の選んだ道を、絶対に辿る」という奇妙な力だけ。


「他者の選択……って、誰の?」


問いかけに答えるように、神殿の壁が崩れ、目の前に森が広がった。

鳥の鳴き声、湿った土の匂い。どうやらここが現実らしい。


歩き出すと、やがて小さな村に辿り着いた。人々は怯えた顔で、蓮に縋るように叫ぶ。


「勇者様! どうか助けてください!」

「魔獣が、森から村を襲ってきているのです!」


突如として背負わされる「勇者」の役目。

だが、蓮はまだ何も決めていない。

――否、決めるのは自分ではない。


彼の耳元に、再び声が囁いた。


――《選択は読者に委ねられた》


その瞬間、蓮の未来は確定した。

彼が進む道は、彼自身の意志ではなく、物語を読む者の一票で定められる。


勇者となるのか。

覇王となるのか。

それとも……魔王の手を取るのか。


すべては、あなたの選択に委ねられている。



登場人物プロフィール


◆ 天城 蓮(あまぎ れん)

•年齢/性別:17歳・男

•立場:異世界転生者/主人公

•外見:黒髪短髪、学生服のまま転生。平均的な体格。

•性格:基本的には温厚で面倒事を避けたいが、譲れない部分では強い意志を見せる。

•能力:《選択執行》スキルを保有。他者(=読者を含む)が下した選択を必ず実行する。

•物語での役割:

•勇者にも魔王にも成り得る「不確定の存在」。

•読者投票が物語を方向づける“器”となる主人公。



◆ リーシャ・エルノア

•年齢/性別:16歳・女

•立場:村娘/魔導士見習い

•外見:金髪碧眼。快活な笑みが似合うが、戦闘時は真剣な眼差しに変わる。

•性格:明るく真っ直ぐ、少しドジだが情に厚い。

•能力:火・風の初級魔法。潜在的に「大賢者」の素質を持つ。

•物語での役割:

•蓮の最初の仲間候補。

•読者の選択により「恋人」「裏切り者」「悲劇の犠牲者」に変化する可能性。



◆ カイル・ヴァロック

•年齢/性別:18歳・男

•立場:村の自警団員

•外見:長身、精悍な顔立ち。黒髪を後ろでまとめている。槍の使い手。

•性格:誠実で責任感が強いが、プライドも高く、嫉妬心を抱きやすい。

•能力:槍術と基礎戦闘力に優れる。

•物語での役割:

•蓮のライバル的存在。

•選択次第で「親友」「宿敵」「仲間を守る犠牲者」と道が分かれる。



◆ セルフィナ

•年齢/性別:外見20歳前後・女

•立場:謎の旅人/正体不明

•外見:銀髪、黒衣をまとい妖艶な雰囲気を漂わせる美女。

•性格:冷静で皮肉屋。常に何かを見透かしたような態度。

•能力:闇魔法を操る。実力は規格外。

•物語での役割:

•蓮を観察し「選択の行方」に興味を抱く存在。

•読者投票で「導き手」「敵対者」「ラスボス」になる可能性あり。



◆ 王国サイド

•アルデバラン王:高齢の国王。病弱で政治力は衰えているが、権威を利用して蓮を「勇者」として縛ろうとする。

•王国騎士団長・ガウェリオ:忠実で剛直。蓮を勇者として認めれば徹底的に仕えるが、拒めば敵に回る。



◆ 魔王軍

•魔王ヴァルゼルド:人間を憎む存在。力と恐怖で魔族を支配している。

•四天将:読者の選択によって「序盤から戦う/一時的に共闘/裏切る」などの役割が変わる。




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