第3話 憧れのお兄ちゃん!

俺がこれからの計画を立てようとノートを引っ張り出しているとき、後ろから声が聞こえた。



「おはよう。今日は起きるの早いね、優」



振り返ると、俺の兄 早瀬天音はやせあまねの姿があった。

天音兄は俺の4つ上で、前世で俺も通っていた、県内の進学校に通っている。

前回は、その後有名国公立大に進学した後、大手IT企業に就職し、まさに勝ち組といえる人生を生きていた。


当時の俺は受験に失敗してから、兄さんとはうまく話せなかった。強烈な光が生む劣等感に耐えられなかった時期だ。



「おはよう兄さん!早く目覚めちゃったから、今後の中学校生活の計画でも立てようと思って」



うん大丈夫。この体ならうまく話せる。



「うわすげぇ、俺そんなことしたことなかったわ。うん、優はきっと大物になるね!」



「いやいやそんなことないって。俺より、天音兄こそ、絶対すごい人になるよ!」



「まあそうだといいな!お互い頑張ろうぜ!」



天音兄はそういうとニカっと笑った。



「というか優、今「俺」って言ったか?今までずっと「僕」って言ってたのに、変えたのか?」



「・・・え、あ、うんそうなんだ!中学生になる前に変えようと思って」



「いいじゃん!最初は慣れないかもだけど、すぐ慣れるよ。言葉の影響力って結構強いから、この際イメチェンとかも一緒にしちゃうのもいいかもね」



危なかった。急にいろいろ変わったら怪しまれてしまう。

面倒ごとを避けるためにも、人生2週目なことは、すぐには言わないでおこう

―――ん?別に人生2週目ってばれたところであんまり害はないのか?

まあいいか。とりあえずは隠す方向性でいこう。


それはともかく、イメチェンはいいかもしれない。

兄さんは、高校生にしては身なりは割ときれいにしている。清潔感は命っていうし、ここは兄さんに、イメチェンとか身だしなみに関するアドバイスとか教えてもらうことにしよっと。



「イメチェンかーいいなとは思うけど、どうやったらいいかとかわかんないんだよねー兄さんちょっと教えてよ。」



「いいよ!じゃあかわいい弟の中学校生活成功のため、協力してやるとしようじゃないか!」



こうして、その日は兄さんにいろいろと連れ回された。

大半は前世で知っていたことだったけど、知らないことも結構あって、勉強になったので、計画は進まなかったけど、有意義な一日だったと思う。



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