Geek×Boy 異世界トリップ
シロニ
第1転「Geek×Boy」
時は8月、場所はアメリカのフロリダ、とある大学にて、食堂で3人の若者が
「あんの頑固教授!ちょっと課題に粗があった程度であんなにグチグチ言いやがって!」
彼は「ケニー」金髪褐色肌、空色の瞳に筋肉質のヤリ○ンチャラ男である。
「ほんとよね!私の方は授業中に前のカップルがずっとイチャイチャしててウザイったらありゃしない!集中出来ないし文句言ったら陰口言ってくるしで本当にあのカス共のスマホを叩き割ってやりたいわ!!」
この荒ぶる彼女は「レイ」金髪に黒い瞳の外見では特に目立ったところの無い女である。
「おいグラお!ちゃんと聞いてんのかよ!聞いてくれって!」
「そうよ〜!誰かにこの怒りを受け止めて欲しくて我慢出来そうにないのよー!」
そして2人の愚痴を横から横へと聞き流しながら意にとめていない黒髪に茶色の瞳の男が1人。
「...んっ?あ、ごめん。なんか言ってた?」
机にノートを広げて、ページ一面に図形や文字の羅列をびっしりとパッと見呪いのノートの如く書き記しているこの男の名は「よしお」日本から引っ越してきた父とアメリカ人の母を持つハーフである。
物理学、物理バカと呼ばれるくらい特に重力の不思議な魅力に心を奪われているこのギークボーイは、中学の頃からの友人である2人から「グラお」というニックネームを付けられ呼ばれている。
「聞けって!まぁお前のことだから別にいいけどさ」
そしてグラおは今日も元気いっぱいの友人2人のくだらない愚痴や無駄話に腹をよじらされながら盛り上がり、気がつけばあっという間に時間が過ぎていた。
「あっ、そうだ。行く前にさ、これ見てよー」
「んっ?なんだぁー?」
レイがグラおとケニーに何やらパソコンの画面を見せる。
「これ最近流行ってるゲーム〜!2人も入れてよ!マルチで遊べるRPG!」
「えぇー?俺もー?俺ゲームよりエロい子と(アメリカスラング)の方が...」
「チッ...こんのヤリ○ンが...グラおもお願いー!2人も一緒にやってよー!」
「ん〜研究の合間でもいいなら」
「本当!?マジ!?」
「おいおい、こいつ休日はほぼラボに籠って実験ばっかりしてんだろ?グラお出来んの?」
「もうー!じゃあもうケニーあんたが付き合ってよ」
「ネットかなんかで集めろよそれくらい」
「私はあんたらと一緒がいいのー!」
「あぁ〜分かった、分かったから落ち着いてよレイ。明日の午後からでもいい?」
レイはその言葉にご機嫌になり、後にケニーはそんな彼女に引っ張られ演劇部の荷物持ちに連れられていく。
「あはは...うるさいくらいに元気だよ全く。さてと...レイが言ってたアプリは...」
グラおはリュックからノートPCを取り出し、ストアから剣士と魔法使いのアイコンをしたいかにもなアプリをダウンロードする。
「おっ、これかな。ってヤバ、新しいノート買いに行かなきゃだった」
そしてグラおはそのままダウンロードを終え、新しいノートを買いに大学を出て近くのマーケットへの道を進んでいく。
外は雨が降っており外は薄暗い、グラおは傘を差して一人トコトコ歩く、そして次の実験のことや、レイたちとのゲームのことについてその思考を弾ませてゆく。
「次はどんな実験をしようかな...」
その時だった、グラおが一人信号を待ちながら立ち止まっていると、突如リュックの中からBGMのような音が聞こえ始めた。
驚いたグラおはリュックからノートPCを取り出すと、なんとPCがひとりでに起動し画面にはレイが話したあのゲームのタイトル画面が表示されていた。
「な、なにこれ...なんで勝手に起動したんだよ...!き、気持ち悪いっ!早く強制終了...いいや電源を切った方がいいかな!?」
ふと、軽くパニックになっているグラおの背後からなにか大きな音が聞こえる。
「...へっ?」
グラおが振り返り音の正体を確かめるとそこには、猛速でこちらに向かってくる無人運転の大型トラックがグラお目掛けて真っ直ぐ突き進んできていた。
そしてノートPCのタイトル画面に泣いている白いワンピースを着た女のアイコンが表示され...
「...Welcome to my wonder land」
そこで彼の意識は途絶えた。
◇ ◇ ◇
...はっ!?
僕は悪夢にうなされていたように勢いよく息を荒らげて起き上がる、混乱したまま自分の体を触り確かめると、自分は私服ではなく青色の子供の寝巻きのような服を身にまとっていた。
そしてそのまま周囲を見渡し、ベッドから落ちるように這い出た後に近くにあった鏡へと一目散に駆け寄る。
「はぁはぁ...見えない...!暗くて...見えないっ!」
薬を抜いた禁断症状のように、血肉を求めるゾンビのように僕はとにかくこの身を照らす明かりを強く求めていた、そして部屋の出入口らしき扉の横に電源スイッチを見つけ、急いでつけて僕は鏡の元に急ぎ戻る。
何か身体に強い違和感も感じていて、まるで「自分の身体が自分のものでは無くなった」かのようで強い恐怖と酷い混乱を覚える、そして足をもつれさせながらやっとのこと鏡の前に立つと、そこには僕ではなく、金髪に左右で瑠璃色とプラチナで違う色を瞳を持つ「知らない誰か」が立っていた。
「なに...これ...僕、僕っ...!一体どうなってるんだよ!!」
頭の中でハリケーンが巻き起こっているようで発狂しそうだ、いや、もう発狂していて自分では気づいていないのかもしれない、本当にもうどうにかなっちゃいそうだっ!
誰か!教えてくれ!僕に一体何が起こったんだ!?誰か!誰かっ...!!
「...うるさい」
「えっ!?誰っ!?」
声がする、近くには見渡しても誰も居ない。
「あぁもう!そんなに首をブンブン振り回さないでよ!あぁもう腹立つ!なんでこんな奴なんかに!」
「誰!?い、居るなら早くで、出てこい!」
「はぁ...もう居るよ」
「はぁ!?そんなこと言われても、どこにも見当たらないぞ!!」
「だからぁ...あんた頭悪いの?ここだよ【ここ】」
その時、僕の右手が勝手に動いて自分の頭を「中指」で指さす。
「...は、はぁ...?うっ...そだろ...?」
Not to Be Continued
あまり書く気がないので更新は遅いかもです。
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