第28話 氷結支配と世界への視界
雪乃は国際的な都市安全管理のプロジェクトに招かれ、成田空港に立っていた。世界規模での災害予測や都市防衛に氷結支配を応用する任務が今日から始まる。手のひらに宿る微かな冷気が、世界規模の空間と動きを感じさせる。国内での応用だけではない、未知の環境と文化、人々の暮らしを守るための挑戦だ。
「ここからが新たなステージ……」
雪乃は深く息を吸い込み、広範囲時間凍結を部分的に展開しながら都市を俯瞰する。道路、交通機関、港湾施設、都市公園──微細な動きを同時に制御し、安全を確保する。現地の協力者や技術者とも連携し、氷結支配を戦略的に応用する。雪乃の能力は単独ではなく、国際的なチームとの協力で最大限に活かされる。
初日の任務は、港湾の安全管理と災害予測。強風や波の動き、荷物の落下、船舶の動線──すべてを瞬時に把握し、氷結造形や時間凍結で未然に危険を防ぐ。通行人や作業員には何も気づかれないが、雪乃の目には都市全体の秩序が鮮明に映る。
「雪乃さん、この範囲で制御できるんですか?」
現地の技術者が驚きの声を上げる。雪乃は微笑みながら答える。
「一人じゃ無理。でも仲間と協力すれば、世界規模でも可能よ」
昼下がり、雪乃は公園や街角で微細な氷結を操る。子どもたちの遊ぶ遊具や市民の移動を安全に守るため、氷の結晶が光を反射し、太陽と重なって幻想的な景色を作る。日常の中の危険を制御することで、非日常の大規模応用が可能になることを雪乃は実感する。
夕方、雪乃は通信で玲奈や後輩たちと状況を共有する。世界のどこにいても、仲間との連携は不可欠だ。広範囲時間凍結と氷結支配を最大限に活かすためには、個々の動きを正確に把握し、協力して行動する必要がある。雪乃は能力の成長と責任、協力の重要性を改めて確認する。
夜、雪乃は日記を開く。
「今日は世界規模での任務を初めて経験した。都市防衛、災害予測、仲間との協力……すべてが力の進化と責任を教えてくれた。氷結支配は日常と非日常の間で、世界を守る力になり得る。これからももっと高め、広く活かしていきたい」
窓の外、世界の都市の灯りが夜空に反射し、星々が瞬く。雪乃の心も冷たく凛としていながら、責任感、友情、成長、未来への希望で温かく満たされていた。氷結支配は、日常と非日常の狭間で、雪乃と世界に確かな軌跡を刻み続けている。
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