光を超えて君と

ランナウェイ

プロローグ1 第0話-1 「宣言」



照明が落ち、会場を包むざわめきが一瞬で消えた。

大スクリーンに映し出されたのは、かつて世界を熱狂させた伝説のトップアイドル。

いまはプロデューサーであり、芸能事務所の社長でもある――ケン・アオヤマの姿だった。


彼はマイクを握りしめ、重々しく口を開く。



「これから始まるのは、前例のない挑戦です。

歌と踊りを武器に、世界を照らす――たった七人の光を見つけ出すための旅。


このオーディションの名は

Project Light Beyond。

光を超え、未来へと届く存在を育てる計画です。」



「応募者は世界中から一万人以上。

一次審査は韓国・中国・日本・台湾、四つの地域で行われます。

勝ち残った三十名が日本に集い、いよいよ本格的な選考が始まります。


そこから先は、ステージごとの課題審査になる。

個人披露、グループ課題、チームバトル、大規模なパフォーマンス……。

審査ごとに順位は入れ替わり、下位は脱落していく。


残された者たちは仲間であり、同時に最大のライバルだ。

互いを支え、時にはぶつかり合い――そのすべてが成長の糧となる。」



「そして最後に残るのは、たった七人。

彼らはグローバルグループとしてデビューし、私と共に世界を旅するだろう。


ただし、忘れてはいけない。

これは夢の舞台であると同時に、残酷な戦いでもある。


涙も、悔しさも、歓喜も――そのすべてが光を放つ力となる。


光を超えて、未来を照らすのは……君たちだ。」



観客席からは、ただ息を呑む音だけが返った。

こうして、世界を舞台にした物語の幕が上がった。

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