第5話
俺がポケットに手を入れた瞬間、騎士たちが一斉に俺に斬りかかってきた。俺は咄嗟に体を捻って攻撃をかわすが、多勢に無勢。次の瞬間には、俺の体は硬いロープで縛り上げられ、地面に押さえつけられていた。
「…大人しくしろ、変態め!」
騎士たちの冷たい目が、俺に向けられる。アリアベルは、その様子を床に座り込んだまま、ただ呆然と見つめている。
結局、俺は牢獄へと連行された。王女の部屋に侵入した罪と、勇者と偽った罪で、明日には処刑されるかもしれない。
(くそっ、このままじゃ……)
俺が絶望に打ちひしがれていると、牢獄の扉が静かに開いた。
そこに立っていたのは、銀色の鎧に身を包んだ、凛々しい顔立ちの女性。
王国の騎士団長、エレノア・フォン・クロイツァーだ。
「アリアベル様から、貴方のことは聞いております。王女様の部屋に忍び込み、その上、下着のことまで口にしたとか……」
エレノアは、冷たい目で俺を見つめる。その目は、侮蔑と軽蔑に満ちていた。
「お、俺は……」
俺が必死に弁解しようとすると、彼女は静かに俺の言葉を遮った。
「黙りなさい。貴様のような男に、弁解の余地などない」
俺は、観念して俯いた。やはり、俺は勇者失格なんだ。
その時、エレノアは、俺の前に屈みこむと、静かにささやいた。
「…しかし、アリアベル様は、貴方から並々ならぬ魔力を感じたそうです。わたくしも、この牢獄に閉じ込められている貴方から、確かに、それとわかる力を感じ取っています」
彼女は、そう言うと、静かに立ち上がり、牢の鍵を開けた。
「……え?」
「勇者様。わたくしは、貴方の力を信じます。ですが、貴方の話が真実かどうか、証明していただかなければなりません」
俺は、騎士団長の言葉に、安堵と驚きが入り混じった複雑な気持ちになった。
「あ、ありがとうございます、騎士団長!」
俺が感謝を述べると、エレノアは少しだけ微笑んだ。
「その代わり、勇者様。わたくしにも、一つ、ご協力いただきたいことがあります」
「はい!なんでしょうか?」
俺は、力強く答えた。
エレノアは、ゆっくりと、その顔を俺に近づけてくる。
そして、彼女の鎧の下に見えたのは、透き通るようなスケスケのレースでできた、パンティーだった。
そのパンティーが俺の目に入った途端、俺の体の中に、今まで感じたことのない、強烈なエネルギーが流れ込んでくるのを感じた。それは、まるで、全身の筋肉が爆発し、骨が砕け散って、そして、再生していくかのような、激しい痛みを伴うパワーだった。
「な、なんだ、この力は……!」
俺は、自分の変化に驚愕した。
エレノアは、そんな俺の様子を、冷静な瞳で見つめている。
「どうやら、わたくしのパンティーも、貴方の力の源になるようですね」
彼女は、そう言うと、さらに身を乗り出し、俺に、耳元で告げた。
「このパンティーは、貴方の身体的な能力を極限まで高める力があります。さあ、勇者様……まずは、この牢獄の壁を、その力で壊してみてください」
俺の異世界での旅は、新たな、そしてとんでもない仲間とともに、本格的に始まったようだ。
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