第37話:あのゴミカス男が不愉快過ぎる!!(来栖視点)

「クソッ、何もかもが不愉快過ぎる! 無能なゴミカス男のクセに俺に盾突きやがって!」

「く、来栖様……」

「お、落ち着いてください……」


―― ドカンッ!! ドカンッ!!


「落ち着いてなんかいられるかよ! クソ、大体一宮先輩にも問題がある! あんな無能なゴミカス男を派閥に入れるなんて一宮先輩の株が落ちてしまうのに……だからあんな無能なゴミカス男を入れるよりも俺の派閥に入った方が絶対に良かったはずなのに!!」


―― ドカッ!! ドカッ!!


 俺は苛立ちながら近くにあった自販機に何度も蹴りあげていった。本当に不快でムカつく話だ!


 しかもあのゴミカス男は優秀な俺に向かって“もっと修行した方が良い”だの“今のままだと宝の持ち腐れ”だの散々と不快な言葉を投げかけて来やがったんだ……!


「という事はアイツ……俺を弱いと思ってたって事かよ!? ふざけんなっ! 俺が弱い訳ねぇだろ!! はぁ、はぁ……クソッ、マジで許せねぇ……!!」

「お、落ち着いてください。来栖様!」

「く、来栖様が弱い訳ないじゃないですか! で、でもアイツはさっきの来栖様の獄炎の球を消したのは事実ですから……で、ですから来栖様が弱いという訳ではなく、アイツがちょっとだけ強かったというだけかと……」

「そんな訳ねぇだろ! アイツは無能なゴミカス男なんだよ! それなのにアイツは優秀な俺の事を思いっきり見下して来やがったんだ! 俺がアイツよりも劣ってる所なんて何一つとしてないのに……あ、いや、でも待てよ……?」


『幹也君は無能ではなくとても優秀な男の子だよ。入学してまだ日が浅いのに既にダンジョン探索をしているし、ゴブリンやスライムなどのモンスターも楽勝に倒しているんだよ? 私はこんなにも優秀な新入生は生まれて初めて見たと思っているくらいだよ』


 そ、そういえば朝に一宮先輩がそんな事を言っていた。アイツは既にダンジョンに入って探索などをしたという話をしていた。


「はぁ、はぁ……何がもう既にダンジョンを探索してるだよ。おい、お前ら! お前らはダンジョンに入った事はあるか??」

「え? ダンジョンですか? い、いや、俺はまだ一度も入った事はないですけど……」

「お、同じく俺もないです……。あ、そ、そうだ。そういえばアイツはダンジョン探索を既にしたって噂がありますよね……」

「えっ!? ま、まじで!? まだ入学したばっかりなのにダンジョンにもう入ったなんてヤバくないか? も、もしかしてアイツって本当に強いんじゃ……」

「そんな訳ねぇだろ!! アイツはクソザコに決まってんだろ!! ってかお前らそんな腑抜けた事を言うんじゃねぇよ!! 俺だってダンジョンにはまだ一度も入った事はねぇけど、でも全然恐れてなんてないからな! だから俺たちも……ダンジョンを攻略しに行くぞ!!」

「え……えぇっ!? な、何ですって!? 来栖様!?」

「さ、流石にダンジョン実習もまだしてないのにダンジョンに入るのは無茶ですよ!? しかも俺達の派閥ってここにいる三人しかいないんですよ!? 全員ダンジョン探索の経験がないのに……それでダンジョンに入るなんて危険に決まってます!」

「危険だと? ふん、そんな事はねぇよ! あの無能なゴミカス男でもダンジョン探索が出来たんだから、優秀な俺らならもっと簡単にダンジョン探索が出来るに決まってるだろ!」

「た、確かにそれはそうかもしれませんけど……でもダンジョンにはモンスターが出現するんですよ? 俺たちだけでモンスターを倒せるかどうかなんてわからないですよ……」

「それこそ心配なんて要らねぇよ! 何故なら俺はもう既に複合魔法が使える優秀な男なんだからな! それにシュミレーションのトレーニングも今まで何度もやって来たんだ! だからモンスターが襲撃してきた所で余裕で倒せるに決まってる! だからそんな事でビビってんじゃねぇよ!」


 俺は激怒しながら子分たちにそう言っていった。ゴブリンやスライムなんて俺でも絶対に倒せるはずだ。だからダンジョン探索なんて余裕で出来るに決まってる。


「ま、まぁ、そう言われてみれば確かに……来栖様は上級魔法である複合魔法を上手に使えますし、下級モンスターくらいなら余裕で倒せるに決まってますよね……!」

「な、なるほど……そうですよね! 来栖様なら余裕で倒せるはずですもんね! ゴブリンとかスライムなんか来栖様にかかれば余裕で倒せるに決まってますよね!」

「あぁ、当たり前だろ! だから明日は俺たちだけでダンジョン攻略を目指しに行くぞ! そして俺があの無能なゴミカス男がよりも遥かに強い男だという事を一宮先輩に証明するんだ! って事でお前たちは今からポーション薬や武器の準備をしておけ! 明日の放課後にはダンジョン攻略に向かうぞ!」

「は、はい、わかりました! それでは今日中に準備をしておきます!」

「はい、わかりました!」


 こうして俺たちは明日の放課後にダンジョン攻略をしに行く事が決まった。


 あの無能なゴミカス男が出来たのに俺が出来ない訳がないはずだ。それにゴブリンやスライムくらいなら俺だって何度もシュミレーションで戦ってきた。毎回ノーダメで倒せるくらいの実力は俺も持っているんだ。


 だから俺でもアイツのように余裕でダンジョン攻略が出来るに決まっているはずだ。あの無能のゴミカス男に出来て俺に出来ない訳ないからな!


 という事で明日は余裕でダンジョンの最深部まで攻略していき、それで俺が一年生の中で一番強いという事を証明してやるんだ!

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