第32話:クリス先輩と一緒に楽しく生徒会の仕事をしていく
翌日の朝。
―― ざわっ……
「……ん?」
いつも通り学校に登校して自分の教室に入っていくと、何だか急に周りがざわっと騒ぎだした。
いつもなら俺が教室に入ると一斉にシーンと静まり返るはずなのに……今日は一体どうしたんだ?
「お、神崎。おはようっす」
「あぁ。おはよっす。黒木」
そんないつもと違う空気感を感じていると、俺の唯一の友人である黒木が話しかけてきてくれた。
なので俺は黒木にこの教室の変な空気感について尋ねてみた。
「なぁ、黒木、何かいつもと教室の中の空気感が違う気がするんだけどさ……何かあったのか? 皆をザワっとさせるような悪いニュースでも入ったか?」
「ん? あぁ、そりゃあアレだよ。お前が一宮先輩の派閥に入ったという噂が一気に広がったからだよ。その噂を聞いてクラスの皆がビックリとしながらざわついているって事だよ」
「は、はぁ? 俺はクリス先輩の派閥に入っただけなのに、何で皆からビックリとされるんだよ? 教室にいる皆も誰かしらの派閥に入ってるんだろ? それなのに何で俺だけビックリとされなきゃいけないんだよ?」
「いやいや、そんなのビックリとされるに決まってるだろ。だってお前はあの一宮財閥の御令嬢の派閥に入ったんだぞ? そりゃあこの学校には由緒ある家系やエリート出身の子供たちが沢山在学しているけど……その中でも一宮家は別格の家系なんだからな?」
「別格? クリス先輩が由緒ある家系出身なのはもちろん知ってるけど、でも一宮家ってそんなにも物凄い格式の高い家系だったのか」
「あぁ、そうだよ。そしてそんな凄い人の派閥に入ったお前の悪口をいつも通り気軽な感じで言ってしまうと問題が起きるかもしれないって事で、皆一旦お前の悪口を言うのは止めて様子見してる感じだな。はは、何か面白い状況だな。まぁだからこの変な空気感に関しては神崎は一切気にしなくて大丈夫だよ」
「なるほど。そういう事ならまぁいいや。教えてくれてありがとな」
「おうよ」
という事でこの変な空気感の理由を黒木から教えて貰った。どうやら教室の皆は一旦悪口を言うのを止めて様子見をしているらしい。とりあえず俺への悪口が減ったのなら良かったという事にしとくか。
(だけどクリス先輩の派閥に入っただけで、こんなにもビックリとされるなんて思わなかったなぁ……)
それほどまでにクリス先輩の実家である“一宮家”は全校生徒の中でも一番格式が高い家系という事なんだろう。
まぁでも由緒ある家系とか、エリート家系とか、格式の違いとか言われても俺には正直ピンと来てない。というかぶっちゃけそういうのには一切興味がないしな。
だからこれからもそんな家系の事なんてあまり気にせずに、クリス先輩には積極的に話しかけていって魔法について沢山学ばせて貰う事にしよう。
◇◇◇◇
それから数時間が経過し放課後になった。
―― ガチャッ
「お疲れさまです。クリス先輩。って、あれ?」
「うーん……って、あぁ。お疲れ様。幹也君」
生徒会室にやってくるとクリス先輩は机に座りながらノートパソコンとにらめっこをしていた。
「パソコンで作業中ですか? 困った表情をしてるようですけど、何か問題でも起きましたか?」
「うん。ちょっとね。今はパソコンで生徒会の広報紙を作ってた所なんだけどね……そしたら広報紙で使うグラフとか表を作ってたファイルが破損しちゃったようで全部消えちゃったんだ。それでさっきまで頑張って作ったグラフとかをまた一から作り直さなきゃならないんて大変だなって思って憂鬱になってた所だよ。はぁ……」
「あぁ、なるほど。そういう事ですか。それなら俺が代わりに表とかグラフを作りますよ?」
「え? 幹也君がかい? でも確か君は田舎に住んでた頃はパソコンを持ってなかったって言ってなかったかな? それなのに幹也君は表とかグラフを作り方は知ってるのかな?」
「はい。俺は元々仕事でデータ整理は毎日してた……じゃなくて。冒険者ギルドでパソコンを借りて毎日の修行データを自分で作成してたんですよ。だから俺は表とかグラフとかそういうの作るのは得意なんです。まぁこればっかりは実際に見て貰った方が早いですよね。今から作ってみせますから、グラフとか表用のデータを一旦見せて貰えますか?」
「あ、うん。わかったよ。それじゃあこれが元データなんだけど……試しにこのデータを元にして表とグラフを作れそうかな?」
「ふむふむ。はい、大丈夫です。これなら俺でもすぐに作れますよ。ですからちょっとだけ待ってくださいね」
そう言って俺は早速備品棚からノートパソコンを取り出していき、クリス先輩のためにパパっと表とグラフを簡単に作っていった。
「はい。出来ましたよ。こんな感じでどうでしょうか?」
「え、もう出来たの? それじゃあ早速確認させて貰うよ。どれどれ……って、わわっ! 凄く見やすくて綺麗なグラフと表だよ! こんな短時間でこんなにも綺麗なグラフと表を作れるなんて幹也君は凄すぎるよ!」
「そう言って貰えて良かったです。こんな感じのまとめ方で大丈夫のようなら、残りのグラフと表も全部俺がまとめて作ります。残りのデータも全部頂けますか?」
「うん、このまとめ方で大丈夫だよ。今からデータを送るね。はいこれ。それじゃあ残りのグラフと表作成もお願いするね!」
「はい、わかりました。それじゃあ今からグラフと表を作っていきますね。先輩は広報紙の文章作りの方を頑張ってくださいね!」
「うん、ありがとう。幹也君もグラフ作りを頑張っていってね!」
という事で俺たちはそれから生徒会室で横並びに座りながら生徒会の仕事を始めていった。
―― カタカタッ……
「いやそれにしても幹也君にパソコンの特技があって本当に助かったよ。しかも綺麗にデータをまとめる事が出来るなんて凄すぎるよ。今まで沢山データまとめとかしてきたのかな?」
「はい、そうですね。昔から会議とか打ち合わせでデータ整理とかするのは日常茶飯事だったんで、そんな毎日の経験のおかげで得意になった感じですね」
「? 幹也君ってまだ高校一年生だよね? それなのに今まで毎日会議とか打ち合わせみたいなのが沢山あったの?」
「えっ? あ、い、いえ! ま、まぁ何と言うか、冒険者ギルドの師匠に修行の報告をするために毎日のように修行の成果とかダンジョン探索の成果をデータ整理してまとめてたんです! これも修行の一環という事で師匠にはパソコン関係の仕事も一通りやり方を教えて貰ったんですよ!」
「へぇ、そうだったんだ。魔法の修行だけじゃなくて、パソコン関係の仕事についても修行してくれてたなんて、幹也君の師匠さんは凄い教育熱心な方だったんだね。私、パソコン仕事は全然得意じゃないからこういうのは全体的に苦手なんだ。だから幹也君がグラフ作りとか表作りとかパソコン関係の仕事が得意なのは凄く羨ましいよ」
「あ、あはは。そうなんですね。あ、そうだ。それなら良かったらこういう表とかグラフの作り方を今度教えましょうか? その他にもパソコン関係の仕事だったら結構何でも出来るので、俺で良ければ先輩にいつでも教えてあげますよ!」
「えっ、本当に? それは嬉しいけど……でも幹也君に面倒をかけちゃうのは先輩として申し訳ないよ……」
「いえいえ、そんな事は気にしないで大丈夫ですよ。俺も先輩には魔法の勉強を沢山教えて貰ったりしてますからね。だからそのお礼も兼ねてパソコン関連の事は俺が何でも教えますよ!」
俺はクリス先輩に向かって自信たっぷりの顔をしながらそう伝えていった。すると先輩は柔和な笑みを浮かべながら俺に向けてこう返事を返してきてくれた。
「ふふ、そっかそっか。うん、それじゃあ今度からパソコンでわからない事があったら幹也君に色々と教えて貰う事にするね。色々とわからない事も多いだろうから、これから沢山頼りにさせて貰うからね。幹也君」
「はい、わかりました! いつでもバンバンと頼りにしちゃってください! 俺にわかる事なら何でも先輩に教えますからね!」
「ふふ、ありがとう。私にもこんなにも心強い後輩君が出来たなんて本当に嬉しい限りだよ。よし、それじゃあ一緒に協力してさっさと今日の仕事を終わらせていくとしようか」
「はい!」
という事でそれからも俺たちは和気あいあいとした雰囲気のまま生徒会の仕事をどんどんと進めていった。
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