第13話:黒木と再会する
聖凛高校から合格通知が来て半年が過ぎた。
合格通知が来てからすぐ入学の手続きをしたり、一人暮らしの準備を始めたり、高校に必要な教材を買っていったりと忙しい毎日を過ごしてきた。
そしてそんな忙しい毎日を全て乗り切って、俺は都内の学生向けアパートに引っ越す事が出来た。
という事で今日はいよいよ聖凛高校の入学式当日だ。
「ついに聖凛高校の生徒になるなんて、何だか物凄くワクワクとしてきたな……!」
俺は聖凛高校の校門前でそう小さく呟いていった。色々な人から無理だと言われた聖凛高校にこうして通える事になるなんて胸が熱くなる気分だ。
そしてそんな無理だと言われた聖凛高校に入れたからには、これから三年間しっかりと魔法を学んでいこうと決心をしていった。そしてその時……。
「おぉ、神崎じゃないか!」
「ん? あぁ、黒木じゃないか! 久しぶりだな!」
「おう、久しぶり! 神崎もちゃんと受かってたんだな! 本当に良かったよ!」
「おうよ。黒木も受かってて良かったよ。これから3年間よろしくな!」
「おう、よろしく頼むよ!」
俺は入学試験の時に出会った黒木と再び聖凛高校で出会った。俺は黒木と軽く挨拶を交わしてから一緒に校門を潜り抜けていった。
「よし、それじゃあせっかくだし一緒に入学式に向かおうぜ。入学式は講堂で開催されるらしいぞ」
「わかった。でもその前にクラス表を確認しておかないか?」
「あ、確かにクラス表は先に確認しておきたいな。でもクラス表って何処に行けば見れるんだ?」
「校門を抜けたすぐの掲示板に張り出されてるらしい。だからサクっとクラス表を確認してから講堂に向かおうぜ」
「なるほど。校門を抜けてすぐの掲示板って事は……あぁ、あそこの掲示板に人が沢山いるから、あそこにクラス表が貼られてる感じかな?」
「多分そうだな。それじゃあ早速確認して……おっ! 俺も神崎もクラスは同じで一年二組だぞ! はは、良かったな、それじゃあこれからもよろしく頼むぜ!」
「それは嬉しいな。それじゃあこれからもよろしくな。って事で時間もあんまり無いしさっさと講堂の方に移動しようぜ」
「おう。そうだな!」
という事でクラス表を確認し終えた俺達はそのまま講堂の方に向かった。
講堂に到着すると受付で新入生用の花を貰った。俺達はその花を胸ポケットに刺してから新入生用の席に座っていった。
―― ざわざわ……
周りには既に沢山の新入生が座って待機している。さらに後列には在学生も全員入っているようでとても賑わっている。
そして壇上には沢山の大人達も座っていた。見た目はとても凛々しくて凄そうな雰囲気を醸し出している大人達ばかりだった。
すると黒木はそんな壇上にいる凄そうな大人達を見ながら目を輝かせ始めていった。
「う、うわ、凄いな! 壇上の参列者の人達を見てみろよ! 全国の有名な魔法企業やら財閥やらのお偉いさんが集まってるぞ!」
「へぇ、そうなのか? 確かに壇上に集まってるのは皆凛とした感じで凄そうな人達ばっかりだなー」
「お、おいおい。結局神崎は魔法関連の企業とか調べたりはしなかったのかよ?」
「あ、あぁ。まぁ田舎に帰った後も毎日修行が忙しくてさ……だから壇上にいる人達の事を良かったら俺にも教えてくれないか?」
「あぁ、良いぜ。最前列に座っているのは国内最大手のポーション薬の製造販売をしている“紫魔法製薬”の会長さんだ。その隣に座ってるのは世界シェアNo1の魔法自動車を製造していて魔法の技術革新にも大きく貢献している“王島魔法工業”の会長さんだな。その他にも“桜宮魔法航空”やら“佐城魔法郵船”やら“城西魔法機械”やら……全国の大企業のお偉いさんが集結してる感じだよ」
「なるほど。何だか凄そうな大企業のお偉いさんばっかりなんだな。そりゃあ黒木もビックリとする訳だ」
「というか神崎以外の新入生は皆ビックリとしてるはずだからな? 聖凛高校に入ったからにはちゃんとそういう企業調べもしっかりとしとかなきゃ駄目だろ。って、あ、ちょっと見てくれ神崎! もう一人かなり凄いお偉いさんを見つけたぞ! あそこに座ってるのって“一宮財閥”の会長さんだぞ!」
「ふぅん? 一宮財閥ねぇ……って、うん? い、いちのみや?」
―― バタンッ!!
黒木とそんな会話をしていると、講堂の入口のドアが閉まり、電気も一気に暗くなっていった。
「って、おっと。そろそろ入学式が始まるっぽいな。それじゃあ話はまた後でだな」
「あ、あぁ。そうだな。それじゃあまた後でな」
「おう」
黒木との雑談はこれで終わりにして壇上の方を見ていった。これからいよいよ入学式が始まるようだ。
(よし、それじゃあまずは入学式をしっかりと楽しまなきゃだな!)
という事で俺は背筋をピンと伸ばして入学式をしっかりと聞く準備を整えていった。
するとすぐに聖凛高校の二年生が司会役として喋り始めていき、校長先生の話や、来賓者からの祝辞など滞りなく式が進行していった。
「……はい。紫会長、祝辞の方ありがとうございました。それでは続きまして聖凛高校の生徒会長からの祝辞です。それでは生徒会長、よろしくお願いします」
そしてそんな大人達からの祝辞も無事に終わり、ここからは聖凛高校の生徒達からの挨拶が始まるようだ。
(おっ、生徒会長って事はこの学校の一番偉い生徒だよな? どんな人が生徒会長を務めているのかちょっと気になるなぁ……って、えっ?)
俺はそんな事を思いながら壇上の方を見ていくと……そこには俺の見た事のある女性が壇上に立っていた。
「ご紹介にあずかりました、私、聖凛高校の生徒会長を務めております。三年一組の一宮クリスと申します。新入生の皆様。本日はご入学、誠におめでとうございます」
「……え?」
俺はその瞬間、目が点になっていった。何故なら舞台の上に立っている生徒会長は俺の知っている女性だったからだ。
今壇上で新入生に向けて祝辞を喋っている生徒会長の女性は……俺が聖凛高校の受験日に助けたあの美人過ぎる女性なのであった。
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