第59話 対決! 【シャッコー・ゴーレム】②
「うううううううううっ!!」
外へと飛んだ僕はゴロゴロと転がり、ようやく草原で止まった。
覚悟していたし、受け身も取ったとはいえ、威力が半端ない。考えてみれば、Cランク上位の装備も潰すような掌底なのだ。最初から押し出されるつもりで受けたとはいえ、全身のダメージは相当。
骨は折れていないが、身体の内側が裂けるように痛い。多分、内臓が衝撃でいくらか傷ついている。正直、このままじっとしていたら、死にそうだ。
だが、そんなことを考えている場合ではない。僕はゆっくりと立ち上がった。
……だって、すぐ近くには【頭突きトカゲ】がいるのだから。
「……クルルルルル?」
血の匂いと、僕の視線に相手も気づいたらしい。首をかしげて、こちらに近づいてくる。
僕は軋む足を叱咤して、足元の土を拾うと――――――ソイツの顔めがけて投げる。
「クエッ!!」
「……こっちだ!」
注意を引き、僕は無理やり走り出す。――――――さっきの洞窟へ。
「クエエエエエエエアアアアアア――――――ッ!!」
【頭突きトカゲ】は臨戦態勢。自慢の頭を硬化させ、僕を潰そうと追いかけて来る。必死に捕まるまいと、僕は洞窟の中へと駆けこむ。
そして、洞窟に入るということは。当然、そこには【シャッコー・ゴーレム】がいる。
ピッ、ピッ、ピッ。
電子音で、僕と【頭突きトカゲ】の存在を把握。赤い眼光を、ぐるりとこちらへ向ける。
「ルイ! こっちだ!」
必死に走りながら、僕はモーダさんのいる岩陰へと駆ける。正直、もういしきがとびそうなほど痛みが全身を回っているが、そんなことは言っていられない。
「――――――うううううううううああああああああああああああああああ!!」
叫びながら、僕はモーダさんの元に飛び込んだ。
当然、その後ろには僕を追う【頭突きトカゲ】がいるわけだが――――――。僕が飛び込んだ直後、その足を止める。
ピッ、ピッ、ピ――――――ッ!
その瞬間に、【頭突きトカゲ】の頭に、【シャッコー・ゴーレム】のグーが直撃する。
硬化した頭と、巨大な拳。一体どちらが強いのか。
結果は――――――頭。【シャッコー・ゴーレム】のグーは、ビキビキとひび割れ、粉々に砕け散った。
「うわあっ!!」
飛び散る破片が、僕らに降り注ぐ。とがった破片なので、これだけでもある意味危険だ。
だが、【頭突きトカゲ】はものともせず、逆に自分を攻撃してきた【シャッコー・ゴーレム】に標的を定める。一方で【シャッコー・ゴーレム】も、自分の手を破壊した【頭突きトカゲ】に狙いを定めた。
「――――――グルルルルルルアアアアアアアァァ――――――ッ!!」
ピッ、ピッ、ピ――――――ッ!
【頭突きトカゲ】の猛突進と、【シャッコー・ゴーレム】のチョキが、ぶつかる。
グーよりも貫通力に優れたチョキは、【頭突きトカゲ】の頭に深々と突き刺さった。
だが、それではもう突進は止まらない。
頭に突き刺さったチョキ諸共に、【頭突きトカゲ】は【シャッコー・ゴーレム】へと突っ込んでいく。
ガ、ガガガガ、ガガッ……!!
ノイズの様な音を立てて、【シャッコー・ゴーレム】の身体が真っ二つに割れる。
両者は倒れ、互いに、目の光は消える。……そして、残っていたパーの手は、浮く力をなくして地面に落ちた。
「……や、やった……!!」
その光景を見ていたモーダさんが、目から一筋の涙をこぼす。
「やった、やったぞ……凄い! 凄いぞルイ!」
「……」
「俺達が! 俺達が!! 勝ったんだ!!」
モーダさん、感動するのはいいんだけど……あんまり、強く揺らさないでほしい。
全身がめっちゃくちゃに痛くて、こっちはそれどころではないのだから。
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