第19話 降って湧いた親父?
クスマは一人、宿屋の部屋で、彼の運命を変えた二つの巻物を呆然と見つめていた。
左手側には、王都アカデミーからの、金箔で縁取られた合格通知。そこには、彼が試練で見せた「常規を超えた戦術的思考」を絶賛し、その功績により金貨100枚の奨励金を授与すると記されている。右手側には、王都環境衛生部からの、文言の厳格な罰金請求書。そこには、彼が「市容を汚染した」ために金貨200枚を支払わなければならないと書かれている。
彼の人生が、今この瞬間ほど、劇的な矛盾に満ちたことはなかった。
クスマの顔に浮かんだ、奨励金を手にした狂喜がまだ完全に消え去らないうちに、その百金貨の純負債という現実に叩き落とされ、頭が混乱していると、ドアが「バン!」という音と共に、外から乱暴に押し開けられた。
「おい、もやし!中でぐずぐずするな!遅いんだよ!」
クレイはまだ湯気の立つお菓子の袋を手に、ふてぶてしく入ってきた。彼はまず大げさに空気の匂いを嗅ぎ、それから眉をひそめ、呆然としているクスマに文句を言った。
「というか、お前、ちゃんと体洗ったのか?なんで部屋にまだ変な匂いがするんだ?」
彼の後ろから、みぞれとふゆこがついて入ってきた。
「ごめんなさい、クスマ」
みぞれはクスマに向かって、申し訳なさそうな表情を浮かべた。まるでクレイの無礼を謝罪しているかのようだった。一方、ふゆこは好奇心旺盛に室内の状況を見ていた。
─ (•ө•) ─
クレイは一目で、テーブルの上の二つの目立つ巻物に気づいた。
「お?お前の通知書、なんで二通もあるんだ?」
彼は手にしたお菓子を放り投げ、ひったくるようにそれらを手に取ると、抑揚をつけ、芝居がかった口調で、その内容を大声で読み上げた。
彼が「奨励金100枚金貨」と読んだ時、その目には一瞬の驚きがよぎった。だが、「罰金200金貨」と読んだ時、その驚きはすぐに、この上なく、抑制不可能な狂喜へと変わった。
クレイはもう我慢できず、ついに驚天動地の嘲笑を爆発させた。
「ハハハハハ!やっぱりな、お前って奴は——」
しかし、彼の笑い声と嘲りがまだ半分しか終わらないうちに、一つの小柄な影が、彼の続く言葉よりも速く動いた。
ずっと黙っていたふゆこが、初めて勇気を振り絞り、両腕を広げ、彼女の小柄な体格とは全く不釣り合いな、羽を逆立てた決然たる姿勢で、クスマの前に立ちはだかった。彼女は震えながらも、この上なく固い意志のこもった声で、クレイに向かって叫んだ。
「師匠を笑うのは許しません!」
ふゆこのその真剣な擁護の様子を見て、クレイが用意していた全ての嘲りは、まるで石でも喉に詰まったかのように、喉の奥で止まった。彼の顔の狂喜は、徐々に複雑で、興醒めしたような表情へと変わっていった。
彼は口を歪め、巻物をテーブルに投げ返すと、呟いた。
「ちっ、本当のことを言っただけだ……」
─ (•ө•) ─
部屋の空気が、新たな、「忠誠」、「感動」、そして「気まずさ」で構成された膠着状態に陥った時、ドアが再び押し開けられた。
今回入ってきたのは、クスマを王都まで連れてきたゼリガだった。
「坊主、お前さん、試験に合格したそうじゃないか!しかも、でかいニュースになってるぞ!」
彼は大笑いしながら入ってきて、室内の奇妙な雰囲気に全く気づかず、豪快に、ずっしりと重い財布を取り出すと、クスマの胸に投げつけた。
「お前の親父に、面倒見てやってくれって頼まれててな。この100金貨は、俺個人からのお祝いだ!好きに使え!」
100金貨の負債に頭を悩ませていたクスマは、腕に抱えた、多すぎもせず少なすぎもせず、ちょうど全ての債務を相殺できるこの金貨の袋を見て、瞬時に、年長者からの、まるで冬の陽だまりのような温もりと救いを感じた。彼は大いに感動し、目頭が熱くなり、思わず涙ぐんでしまった。
クスマは顔を上げ、この上なく誠実で、思慕の情に満ちた眼差しでゼリガを見つめ、思わず口走った。
「親父!」
ゼリガの豪快な笑顔が、瞬時に顔の上で凍りついた。
部屋の空気も、まるで凝固したかのようだった。
クレイ、みぞれ、ふゆこの三人は、目の前のこの「父子の対面」という感動(?)の場面をあっけにとられて見ており、その頭の中には、時を同じくして、一つの、宇宙レベルの困惑に満ちた巨大なクエスチョンマークが浮かび上がった。
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