第5話 王都アカデミー
「君に決めた!ゼリガ!」
中二病感あふれるその言葉がレストランに響き渡った後、空気は丸々十秒間、凍りついた。
ゼリガの手のスプーンは空中で止まり、スープが滴り落ちていることにも気づかない。父さんは口の中の粥を飲み込むのを忘れ、頬をハムスターのように膨らませていた。隣のテーブルで歯をほじっていたおじさんさえも動きを止め、爪楊枝が「カツン」と音を立ててテーブルに落ち、大口を開けてこちらを見ていた。
最後には、父さんが率先して、この爪先が丸まるような気まずさを打破した。
彼は「バシッ」という音と共にクスマの頭を押さえつけ、強引に席に座らせると、ゼリガに向かって泣くよりも酷い引きつった笑顔を向けた。
「は、はは……こいつ、最近興奮しすぎて、頭がちょっと……な。分かるだろ、思春期特有の、変な妄想ってやつさ……」
「……」
十分後。
粟のレストランには、穀物の香りと客の汗の臭いが混じり合っていた。
父さんの老いた顔は、先ほどの気まずさか、それとも安酒のせいか、赤く染まっていた。今、彼は必死に笑顔を作っていた――それは媚びるような、卑屈に近い笑みだった。
テーブルの下の両翼は不安げにこすり合わされ、内心の緊張と懇願を表していた。彼は体を前へ乗り出し、テーブル越しに、相手を驚かせないよう囁くような声で、向かいで酒をあおっている魁梧な男の様子を窺った。
「なあ……ゼリガ。奇遇じゃないか、あんたも近々、王都に行くんじゃなかったか?」
父さんの声は極めて低く、気づかれにくい期待が込められていた。
(ん?王都?)
先ほどの社会的死の現場を悔やみ、茶碗の中に頭を埋めたいと思っていたクスマだったが、その二文字を聞いた瞬間、頭の上の萎びていたもやしがレーダーのように「ピーン」と反応した。
「ああ、こいつ能力に目覚めてからというもの、ずっと落ち着きがなくてな」
父さんは頭痛の種だと言わんばかりにクスマを指差し、無力感たっぷりに言った。
「実はここんとこ、毎日毎日、どうしてもあの王都アカデミーの入学試験を受けるんだって喚き散らしててな」
そう言うと、彼はため息をつき、隣の痩せっぽちの息子を一瞥し、話を変えて父親としての心配を滲ませた。
「だが道のりは遠いし、一人で行かせるのはどうにも心配で……。どうだ、ついでに……あいつを乗せていってはくれんか?面倒を見てやってくれないか?」
それを聞いたゼリガは、酒を飲む手を止めた。
彼はゆっくりと、クスマの頭ほどもある木製の酒杯を置いた。
「ドン」
重々しい音が響いた。
酒杯がテーブルを叩く音は、まるでクスマの張り詰めた心を叩くようだった。
ゼリガはすぐには答えず、鷹のように鋭い目を細めた。その視線はX線のように、遠慮なくクスマの頭の上の哀れなもやしから始まり、下へ向かって、痩せた首、薄い胸板を舐めるように見て、最後にその干からびたような足爪で止まった。
その視線はあまりに露骨で、まるでフリーマーケットの隅に置かれた、『ご自由にお持ちください』と書かれていても誰も見向きもしない不良品を見ているかのようだった。
(……何だよ?その目は……)
そう見つめられ、クスマは全身の羽毛が逆立ち、鳥肌が立つのを感じた。
彼は無意識に存在しない腰を伸ばし、腹を引っ込め、少しでも「逞しく」見せようとした。たとえそれがただの心理的効果に過ぎなくても。
クスマが窒息しそうになった、その時――
「ブフッ――ハハハハハ!」
ゼリガは突然天を仰ぎ、屋根を吹き飛ばすほどの豪快な大笑いを爆発させた。その笑い声でテーブルの上の食器が踊った。
「大したことじゃないか!何をそんなにビビってるんだ!」
ゼリガは団扇のような翼を伸ばし、クスマの薄い背中を力強く叩いた。
「バン!バン!」
二つの大きな音が響いた。
「ゴホッ!ゴホゴホ……(は、吐血する……このオッサン馬鹿力すぎるだろ!)」
クスマは叩かれて目が回り、その場で昇天しそうになり、五臓六腑がずれたような気がした。
「息子を俺に売り飛ばして借金の方にするか、国家の一大事でも頼むのかと思ったぞ!そんなに深刻な顔しやがって!」
ゼリガの笑い声は力強く、父さんの顔の憂いを一瞬で吹き飛ばした。彼は再びクスマを見たが、その目には以前のようなからかいや品定めはなく、「感心」という名の真摯な光が宿っていた。
「お前の息子、見込みがあるぜ!こんなガキのうちから王都で一旗揚げようってんだ、男らしいじゃねえか!」
彼は大きく翼を振り、豪快に言った。
「問題ない!ちょうど俺も一人旅は退屈だったんだ、話し相手ができるのも悪くない!坊主、帰って荷造りしな、準備ができたら俺と行くぞ!」
(……え?こ、これで決まり?)
幸福があまりに突然、竜巻のように訪れ、クスマは一瞬呆気にとられ、ぽかんと口を開けた。
だがすぐに、狂喜がこみ上げてきた。
彼の脳内劇場が瞬時に開演した。「アカデミーの新星」から「大陸の伝説的英雄」まで、完璧な脚本がすでに書き上げられていた。
そこでは、彼の頭のもやしは伝説の世界樹へと進化し、足元には巨竜を踏みつけ、手には神器を持ち、背後では無数の美少女たちが彼のために熱狂的な歓声を上げている……
「はい!ありがとうございます、ゼリガおじさん!」
クスマは力強く頷いた。そのまん丸な瞳には、「中二」……いや、「夢」という名の眩い光が輝いていた!
─ (•ө•) ─
ゼリガは生粋の行動派で、一度承諾すると無駄口は叩かず、話題はすぐに王都アカデミーの詳細へと移った。
食卓の雰囲気は一気に盛り上がった。彼と父さんは杯を交わし、唾を飛ばしながら議論した。
もっとも、このアカデミーに入ったことさえない二人のオッサンが話しているのは、酒場で仕入れた誇張された噂話ばかりだ――毎年の脱落率がどれほど恐ろしいか、どれだけの貴族のボンボンが泣いて逃げ帰ったか、そして歴代の卒業生で名を馳せた伝説的な強者たちの色恋沙汰について。
「色恋沙汰」という四文字を聞いて、クスマの耳はピンと立ち、脳内の脚本は即座に自動更新された。
(……美人の先輩がいるのか?へへへ。それに美しくて優しい先生も……)
クスマは横でよだれを垂らしながら聞き入り、目はとろんとして、すでに素晴らしいキャンパスライフが手招きしているのが見えているようだった。
彼らの会話は、クスマに挑戦と栄光に満ちた――
もちろんピンク色の泡に包まれた壮大な舞台を描き出していた!
しかし、クスマが熱血沸騰し、自分も未来のゴシップの主役になり(そして美人の先輩たちに囲まれ)ていることを夢想していた、その時――
奇妙な感覚が、何の前触れもなく腹の底から湧き上がり、脳天を直撃した。
「ドクン、ドクン、ドクン……」
周りのオッサンたちの自慢話や拳遊びの声が、突然遠く、あやふやになり、まるで分厚い水の膜を隔てているかのように、はっきりと聞こえなくなった。
クスマは自分の心臓が狂ったように加速し始めるのをはっきりと感じた。一打ち、また一打ちと、次の瞬間には胸を突き破り、喉から飛び出してきそうなほど力強い。
視界がぼやけ、色彩が溢れ出し、目の前の世界に強烈なソフトフォーカスがかかり、回転するエフェクトさえ加わったようだった。
(まさか……これが伝説の、万に一人の強者だけが到達できるという「ゾーン」状態か?!)
極めて馬鹿げた考えが、制御不能に彼の妄想に満ちた頭から湧き出した。
(きっとさっきの未来への強烈な渇望が、体内の魔力と共鳴したんだ!やっぱり俺は天才だ!!)
その時、周囲のすべてが曖昧になり、全世界の光と影が後退していく。残されたのは彼自身と、胸腔内でますます速く、戦太鼓のように鳴り響く心臓の音だけ。
得体の知れない熱流が体内で思うがままに駆け巡り、言葉にできないときめきと痺れをもたらした!
「間違いない!来た来た!この感覚だ!絶対にこれだ!どうやら俺の能力、ブレイクスルーするらしいぞ!」
クスマはその場で大笑いしたい衝動を必死に抑えつけ、これが超凡能力がさらに一段階向上する偉大な前兆なのだと固く信じていた。
彼は目を閉じ、両翼でテーブルの縁を固く掴み、顔には苦痛と忍耐、そして狂喜が入り混じった奇妙な表情が浮かんでいた――
その姿は、まるで三日間便秘で、必死に出そうとしているのに「詰まって」しまった可哀想なひよこのようだった……
彼はこれを限界突破の前兆だと思っていた。
だが残念なことに、この「ゾーン」のような体験は力をもたらさず、逆に完全に制御を失っていった。
クスマの体内の魔力は、まるで石を投げ込まれた熱湯のように激しく沸騰し、体内で暴れ回り、五臓六腑が引っくり返るようだった。
さらに驚くべきことに、彼の頭頂部にある、元々は栄養失調でうなだれていた豆もやしが、今この時に接触不良の電球のように、目に刺さるほど不安定な緑色の光を放ち始めたのだ!
「ジジッ……ジジジ……」
その光は明滅を繰り返し、どこか不気味なリズムさえ帯びていた。もやしの葉はそれに合わせて痙攣するように激しく震え、まるで死のディスコを踊っているようでもあり、無言の救難信号を発しているようでもあった。
─ (•ө•) ─
この奇異な光景は、ついに唾を飛ばしながら「どこの酒場の女将が一番美人か」を議論していた父さんとゼリガの注意を引いた。
「見ろ!お前の息子の頭のもやしを見ろ!」
ゼリガは目を丸くし、酒杯を置くのも忘れて、興奮してクスマを指差した。まるで稀代の宝物でも見たかのように。
父さんも勢いよく立ち上がり、椅子が耳障りな摩擦音を立てた。彼の声は震え、顔には衝撃と期待が満ちていた。
「まさかこれが……伝説の……頓悟か?!」
「頓悟?!」
ゼリガは驚きの声を上げ、クスマを見る目は一瞬にして信じられないという崇拝と畏敬に満ちたものになった。
「お前の息子、飯食ってるだけで頓悟するのか?一体どれほどの天才なんだ!これはまさに奇跡だ!俺は生まれてこの方見たことねえぞ!」
彼らは二人とも、これがクスマの驚くべき天賦の才が再び爆発したのだと思い込み、次々と彼を誇りに思い、震撼し、拍手する準備さえしていた!
だが、「天才」本人は全く気分が良くなかった。
いや、最悪だった。
クスマの視界はぐるぐると回り始め、目の前の世界にはモザイクとサイケデリックなエフェクトがかかり始めた。喉の奥から吐き気を催すような激痛が走り、誰かが中で狂ったように掻き回しているかのようだった。
「うぇっ……」
彼は猛然と腰を折り、両翼で腹を押さえ、激しくえずいた。
「息子よ、どうした?何か高深な境地でも悟ったのか?体が耐えられないのか?」
父さんが心配そうに尋ねたが、その口調にはまだ期待が混じっていた。
しかし、クスマにはもう聞こえなかった。抑えきれない、荒波のような衝動が胃から突き上げてくる。止めることなどできない。
彼が口を開き、何か言おうとした時――
「ブフォッ――!!」
彼は白目を剥き、たった今食べたキノコ粥を、利子をつけて滝のように全部噴き出した。
体中の力が一瞬にして抜け、支えを失ったジャガイモの袋のように、ぐにゃりとテーブルの下に滑り落ち、四肢はまだピクピクと痙攣していた。
意識が朦朧とする最後の瞬間、クスマの脳裏には、スローモーションのように、先ほど食べた「元気いっぱいキノコ粟粥」の中にあった、綺麗に切り揃えられ、色がやけに鮮やかで、不気味な紫色の斑点があったキノコが浮かんでいた。
(ちくしょう……)
それが彼が意識を失う前に、脳裏をよぎった最後の、悔恨と無念に満ちた考えだった。
(……あのキノコ……毒だったのかよ……!!!)
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