第3話 誰か来ました

撮影日:2024年11月2日 午後11時47分

場所:桜ヶ丘村・民宿「やまぼうし」

(暗い部屋。赤外線カメラの映像)




田中山:(囁き声で)


「現在、午前0時前です。宿の主人によると、この時間帯によくある現象が起きるそうです」



(窓の外で何かが動く影)



田中山:


「今、何か……」



(コンコンコン 窓を叩く音)



田中山:(息を呑む音)


「聞こえましたか? 明らかに窓を……」



(ガラスの向こうに、ぼんやりとした白い顔のようなもの)



田中山:(震え声で)


「映ってます…映ってますよ、これ……」



(突然映像にノイズが走り、画面が真っ暗になる)



※※※※※



撮影日:2024年11月3日 午前7時15分

場所:桜ヶ丘村・民宿「やまぼうし」




田中山:(興奮した様子で)


「昨夜の映像、確認しました。確実に何かが映っています。でも今朝、宿の外を調べても足跡も手の跡も、一切ありません」



(カメラが窓の外を映す。普通の山間の風景)



田中山:


「それと妙なことに、昨夜の記憶が……少し曖昧なんです。夢だったのか現実だったのか……でも映像は残ってる。これは確実に何かの証拠です」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る