第15話 眠れない夜
「やっぱり
ハンバーグを食べ終えた
「一緒につくったからじゃないかな?」
「そっかそっか、私も才能あるかもな~」
えへんと胸を張って白石さんが言う
夜ご飯も食べたしお風呂入って寝ようかな
「お風呂沸かしといたから先に入っていいよ」
「ありがと~」
白石さんがお風呂の方に歩いて行った
さっきまで白石さんが座っていたクッションがまだへこんでいる、少し横になろうと思いクッションに頭を乗せる。まだ暖かかった。
「...さん...水瀬さん起きてよ!」
目を開くとお風呂上がりの白石さんが私の顔を覗き込んでいた
「近いって!」
心臓のドキドキが止まらない
「ごめんって、水瀬さんお風呂入ってきなよ。眠いなら私が背中流してあげようか?」
いやいやいくら何でも白石さんとお風呂なんてドキドキやばいし、第一そんなに家のお風呂は大きくない。
「水瀬さん顔真っ赤じゃん!冗談だってば!」
完全にからかわれてた
「もういいよ、お風呂入ってくるから!」
一回冷静になろうと思い、体を流して湯船に浸かる
「白石さんといるのやっぱ最高に楽しい」
お風呂から上がると今度は白石さんが髪を乾かし切らずに寝ていた
「白石さん、風邪引いちゃうよ」
全然起きないし...
「...さん、大好き...ずっと一緒に居ようね」
寝言で誰かに話しかけている。内容からして好きな人とデートでもしてるのかな?
途中で夢から覚まさせて仕舞うのはかわいそうなので静かに布団の準備をする
「あれ水瀬さん?なんで私の部屋にいるの?」
白石さんは完全に寝ぼけていて声もいつもの明るい声とはほど遠い
「寝ぼけないでよ白石さん、私の家に泊まりに来たでしょ?」
ほっぺたを優しくつまむ
「そういえばそうだったね、気付いたら寝ちゃってたよ」
えへへと笑ってまた目を閉じようとする
「布団敷いておいたから髪乾かしたらもう寝れるよ」
「髪乾かして~」
寝起き以外では絶対に聞けないだろう声で甘えてくる。
「乾かしてあげるからせめて座っておいてね」
白石さんを正座させ、肩をぽんぽんとたたく
白石さんの髪を乾かし終え、私も髪を乾かして寝る
朝起きると何かに体を締め付けられていて、背中には柔らかい感触がある、犯人は一人しかない
「白石さん、起きてるの?」
白石さんの腕と足をぽんぽんとたたく
「水瀬さ~ん、この問題の解き方教えて~」
ようやく返事が返ってきたと思ったら寝言だった。夢の中でも私は勉強教えてるんだ。
諦めて二度寝する
「水瀬さん、キス、してもいい?」
白石さんがだんだんと顔を近づけてくる
「いやいや私たち友達でしょ?」
なんとか止めようとするも白石さんは止まらない
「じゃあこれから恋人になればいいんじゃない?」
なんか様子がおかしい
「絶対だめだから!」
どーんと白石さんを押すとぐへっと言って倒れこむ
目を開くと見知った天井が飛び込んでくる、よかった夢だった...
「うなされてたみたいだけど大丈夫?」
寝転がってスマホをいじっている白石さんが聞いてくる
「ちょ、ちょっとね~」
白石さんが私に抱きついて寝てたからだと思うんだけど...とはさすがに言わなかった
「昨日すごいよく眠れたんだよね~私いつもは抱き枕ないと寝れないんだけどさ~」
「だから白石さんに抱きつかれてたのか~」
点と点がつながってつい口に出してしまった
「もう冗談言わないでよ~あはは~」
ぎこちなく笑いながら白石さんが答える
「冗談じゃないよ、腕も足も使って締め付けてきたの覚えてないの?」
「お、覚えてない...」
白石さんの顔が赤く染まっていく
「今度から事前に言ってよね、目が覚めたとき何が起こってるかわからなくて怖かったんだからね」
「言えば許してくれるの?」
きょとんとしながら聞いてくる
「怖かっただけで、べ、別に嫌なわけじゃなかったし...」
言ってから我ながらツンデレかよと思う
「まじ!?じゃあ二度寝するから抱き枕になって~!事前に言えばいいんでしょ!」
あ、これ逃げれないやつだ
「それは違うじゃん!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます