今、君に知ってほしいことがある
柴ちゃん
好きってなぁに?
君は考えたことがあるだろうか?
好きってなんだろうということを。
そりゃあ家族に友達に推し…、他にも様々な好きがあるだろう。
でも、真っ先に君は"恋愛"を思いつかなかったかい?
そう、今回はそんな恋愛というものについて考えていく。
なんて偉そうなものいいをしてみたが、私はごく普通の高校生だと自負している。
そう普通の、初恋をしたことがないJKだ。
……そこ、可哀想な目で私を見るんじゃない!
いいか、よ~く聞けよ?
恋愛なんかにうつつを抜かす暇があるなら勉強しろ!
って、痛い痛い!教科書を投げてくるんじゃない!
えっ?私は勉強してるのかって?
……………してるに決まってるだろう。
あ〜!もう!うるさいうるさい!
悪かったって!勉強してないよ!これでいいか!?
ってもう、私はこんなことを言いたいわけじゃなくてだな…。
こほん、本題に戻そう。
そう、そこの君は誰かに"恋"をしたことがあるかい?
あっ、彼氏彼女のことは聞いてない、自慢しなくていいから。
っと、脱線が多いな、全く…。
まあ、恋をしたことがあるというていで進めていくぞ?
私というものは、人生において一度だけ誰かと付き合ったことがあるんだ。
そう、告白されたんだよ。
それで、私はそれを受け入れたんだ。
嫌いな奴でもなかったし、比較的仲のいい奴だったからな。
でも、途中で気が付いた。
あれ?私と彼の好きってどこか違わないか?とね。
私が考えれば考えるほど、彼のくれる好きが私の思うものより大きいのかがわかったんだ。
それはきっと、愛情と友情の違いだろう。
私は小学生の時、友達にこんな質問をされたことがある。
「好きな人はいるか?」と。
それに対して私の答えは、お母さんとお父さんと弟と友達ときたもんだ。
今になって考えたらおかしなことだろう?
でも、私には好きというものの違いがわからなかったんだ。
で、友達に笑われた話は置いといて…。
それから時は流れ高校生になり、好きなタイプは?と聞かれるタイミングがきた。
私にはタイプなんてわからないし、どんな人を好きになるなんて理解できなかった。
まあ過去の経験上、いないって言ったら笑われるのはわかってるから優しい人と答えたがな。
そして話はだいぶ戻り、私がまだ付き合っていた時。
それは高校の時なのだが、友達に彼氏はいるか?と聞かれた。
もちろんそこは正直に、いると答えたさ。
そうしたらお決まりのセリフ、どんなところが好き?ときたもんだ。
その時の私の心境と言っちゃあ、「えっ、どこが好き?まず、好きってなんだ?」といったところかね。
まあ、それも優しいところ?と誤魔化しといたがな!
結果としては、しばらくしてその彼と別れたよ。
私から振ったんだ。
彼といるのは楽しいし、別に嫌じゃない。
でも、過ごしているうちに好きというものの差に疲れてきたんだ。
そうして、ある日気が付いた。
「あぁ、彼を好きだと思い込んでいるんだな」と。
彼を好きじゃないといけないという呪縛に囚われているんだと。
それに気が付いたらはやかったよ。
だんだんと一緒にいるのがしんどくなってきて、別れたんだ。
彼ができるだけ傷付かないように、やりたいことができたと言って。
まあ、彼の方は未練がありそうだったけど、私はすっきりしたよ。
だって、最後まで彼のどこが好きなのかわからなかったから。
きっと彼も、本心でもない好きを貰い続けるよりかは、本当に彼を愛してくれる人との方が幸せになる。
そうだと信じて私は彼を世に送り出したんだ。
なんて聞くと綺麗に聞こえるだろう?
まあそれから色々考えたさ、好きとは、恋愛とは、とね。
それから紆余曲折あり、導き出した答えは"好きってなんだ?"というものだった。
そしてある日見つけたんだ。
アロマンティック・アセクシャルという言葉をね。
それは恋愛感情も性的感情も他者に抱かない人のことを指す言葉だった。
その記事を読んでいるうちに、もしかしてと思い、とあるサイトで診断してみた。
結果は、まあ大当たりといったところかな。
そう、私はその、アロマンティック・アセクシャルというやつだったのだ。
よくよく考えてごらん。
私は小さい時から好きがわからなければ恋バナにも興味がなかった。
ましてや国語のテストの問題が恋愛系の時だけ点数が悪いときた。
きっと、ずっとずっと前から私には恋愛感情なんてなかったのだろう。
そして、性的感情が何を指すのかは分からないが、かっこいい・可愛いを理解できないのはこれのせいなのか…?
まあわからないものは別にいい、いつかわかる日が来るかもしれんからな。
最後に、ここまで話を聞いてくれてありがとう、嬉しかったよ。
そして、ここを去る前に覚えておいて欲しいことがある。
世の中には、私のように恋愛がまったくわからない奴もいるんだということを。
アロマンティック・アセクシャルという言葉を。
どうか、どうか心の片隅にでもほっぽっておいてくれ。
じゃあ、今度こそありがとう。
またな!どうか達者でやってくれ、いつか君に再会するその時まで。
***
ほんとは短編として載せる予定だったので削った箇所も多いです。
よって次回からは、この話をもとに自分なりに考えたことをまとめていきます!
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