窮地の到来
「
負傷した
悲痛な面持ちの薛麗が、鮮血の
薛麗に身を寄せた許林杏が、袋から見たこともない文字が書かれた符を取り出した。
「傷にこの符を貼って。痛みが失せるはずだよ」
薛麗はその符を受け取ると、傷口に貼った。不思議なことに、痛みが引いていった。
「薛姉、大丈夫?
心配げな面持ちの許林杏に、薛麗は不敵な笑みを返した。
「これならまだ戦える」
薛麗は弓矢を手に取ると、眼下の黄巾に向かって矢を放った。精彩は欠いていた。飛翔した矢は、賊徒には立たず地に立った。
「矢を放てるだけましってことね」
薛麗の
すると――。
二体の計蒙は姿が薄くなると、人型をした小さな二枚の白紙へと転じた。その腹部には穴が開いていた。
「読み通り、良識ある
劉辟は、
「何と――⁉ 召喚した
墻壁から計蒙の活躍を見遣っていた元緒が、
方士が
「……こ、これは……まずいことになるやもしれぬ」
口惜しそうな顔になった元緒は、ふと塢の内側に目を遣った。
苦しそうな
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