【BL】路傍異譚録
狭間夜一
プロローグ
さて今宵、私が語りますのは――奇っ怪で、恐ろしくて、しかし笑わずにはいられない……そんな話でございます。
そして何より……これは、まぎれもなく本当の話。
つまり、私の人生の話です。
私はつまらない男でした。私はしがない怪談師。それ以外に能もありません。ましてや学もありません。あまりにつまらない男でしたから、捨てられたのです。ゴミ捨て場に。どんより曇った燃えるゴミの日でした。生臭いったらありゃしませんが、私はそこに捨てられたんです。
ぼーっと考えました。なにがいけなかったんだろう、どこで間違えたのだろう……って。もう全て私どうでも良くなって、ぐぅ。眠ってしまったんです。
そうしたらだ。薄曇りの真夜中!やってきたのは金髪の、まあ大変酒臭いヤンチャな小僧!彼は私をじろり、じろりと見つめて、そして、拾った。私を。ゴミ捨て場に埋まっていた変な男を、拾ってしまった不運な男はなんと20歳のガキだというから大変だ。
そして私、なんの因果か───彼と、人生を始めることにしたんです。私の、めちゃくちゃで、怪談なんかよりよっぽど怖い、ゴミ捨て場に捨てられた最悪の人生をもう一度、この悪ぶるにはピュアすぎる坊やと、あたらしく。やり直すことに、なってしまったんですね。恥ずかしながら。
どうしたものか、どうしたものか。
これは私の人生が壊れ、あたらしく始まる話です。
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