花粉症

 私は薬局にいる。物理の担当教師に買い出しを頼まれたためだ。何を買うのかというと、風邪薬である。私は、その教師とはそこそこ仲の良い方であると思っている。そうでなければ、買い出しを頼まれる夢なんて見ないだろう。

 私は頼まれた薬のほかに、ペットボトルの飲み物を何本かと、お菓子を買っていった。


 学校の教室に戻り、買い出しから戻ったことを報告する。教室にいる他の生徒は、何やら忙しく作業をしている。作りかけのポスターに書き込む者、パソコンで何かを調べている者など、それぞれが別の作業をしているようである。

「おう、もどったか」

 そう言ったのは、私に買い出しを頼んだ教師だ。レジ袋に入った商品を取り出し、確認をする。

「ありがとう。」

の声に続いて

「そうそう、この薬な、花粉症にも効くんだよ。お前も、もしよかったら試してみる?」

 そんな風に風邪薬が花粉症にも効くということを私に言い、彼は仕事に戻る。「花粉症なら、花粉症の薬を買えばいいのに」そう思いながら買い出しの片づけを済ませて、私も他の生徒たちと同じように作業を再開した。


―――――――――


 この夢から数日経ってからだろうか。テレビのニュースは花粉症の話題で盛り上がっていたのを覚えている。もしかすると、「もうすぐ花粉がひどくなる」ということを教えてくれた夢だったのかもしれない。

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