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学校が終わってバイトに向かう私の行く手を、少し乱暴に止まった黒い車が阻んだ。
窓は濃いフルスモークで中の様子は一切見えない。
怪しげな車に危うく轢かれそうになって驚いていると、運転席からガタイのいい男が降りて来て、迷うことなく私の元へやって来る。
自分よりも随分大きい体が背後の太陽の光を隠して影を作った。
その迫力に思わず後ずさった私の腕を掴むと、何の言葉も無しに車の後部座席へ押し込んだ。
「……っ、えっ……!?」
背中がシートに叩きつけられ、体がズサッと奥まで滑り込む。
あまりの唐突さに車内で茫然と固まる私を無視して、バタンとドアが閉められる。
外の光は遮断され、重苦しい闇の中に閉じ込められた。
男は再び運転席に乗り込んで後ろをチラリと確認すると、車を急発進させた。
その衝撃で後ろにひっくり返った私は柔らかなシートに背中をぶつけた。
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