第5話 犯罪教唆

「うーんうーん…」

土曜日、それは唯一の望千夜の休みの日である。しかし最近はより悠平の尻拭いでの心労が重なり悪夢を見ることが増えた。

そんな望千夜の夢を覚ますものがいた。しかし現実は悪夢よりもひどいものが目に入ってきた、悠平だ。


普段なら飯食ってうんこして寝るだけ、起きてる時間はエゴサやセクハラばかりの彼だが時折活発に動くことがある。1つは女の尻を追いかける時、そしてもう一つは

「おい望千夜、こいつを潰してくれるだでか?」

逆恨みした人への加害活動だ。

またか、とめんどくさそうに起き上がると望千夜は「今度はどいつにアンチコメされたの?」と応じた

悠平の逆恨み、地団駄を踏む時フスーと息を吐きながら大きな音を立てるので望千夜は勝手にフスフスゲージと呼んでる。

これが30%くらいのときは適当に愚痴に付き合ってやればなんとかなる。

70%くらい溜まりSNSでの煽り行為も増えると望千夜にもターゲットへの攻撃を指示するようになる。そのため望千夜もSNSでは褒められた行為はしていなかった。

意味不明な文字列を送りつけたり、誹謗中傷スレスレの反撃を送らされたりと悠平の手駒とされていた。

そして100%になると…


「オイ、このアンチどうやら近くに住んでるみたいダデェ…。オバエ特定に協力しやがれ!そしたら会社に電話しまくってクビにさせてやるだでアヘオホ!」

…明らかな威力業務妨害の教唆だ。

「…嫌だ。私こんなことしてるのバレたら仕事クビになっちゃうよ?そしたら蓮もあんたも食べられなくなっちゃう…」

「そんなのアンチからの慰謝料でなんとかなるだでー?それともオラのお願い聞けない理由でもあるだでか?」

そんなのいっぱいあるよ…私はsyakuさんのことが確かに好きだった。でも今のsyakuさんは…悠平はいつも偉そうにしてるか子供みたいに怒るかしてないもん。それに私には今守るものがある、出会った時みたいに自分だけよければいいわけじゃないんだよ…


「や…る…」

それでも望千夜は悠平に逆らえなかった。どん底にいても変化が怖かった。彼女もまた悠平のようなクズ人間であっても捨てられるのを恐れていたのであった。

夜悠平からの指示の元近所のアンチを探る、すると

「え、これ北村…さん?」

以前望千夜を呼び出したアンチだ。送ってもらったときの車のナンバープレートも一致していた。

彼の言葉を思い出した。本当にこのままだと蓮も私もダメになってしまうかもしれない。


過労とストレスで頭がおかしくなる。ぐるぐる、ぐるぐる

視界も歪み世界が回る、ぐるぐる、ぐるぐる

震える手で北村にメールを送ったあと望千夜は119番通報した。

「もしもし!こちら119火事ですか?救急ですか?」

「めまいが…たすけ…」

「もしもし!もしもし!…だめだすぐ迎え!」


深夜、蓮は大きなサイレンの音で目を覚ました。

「ん…なに?」

怖くなり母を探すと彼女はパソコンの前でぐったり倒れてた

「え、お母さん?お母さん!」

半泣きになっていると救急隊が呼び鈴を鳴らしてた

「ぼく、遅くにごめんね。この家に具合悪い人いる?」

「お母さんが…お母さんが!」

「わかった、お兄さんたちが必ず助けるから」

蓮は母の付き添いで救急車に乗り病院にむかった。

一方悠平は「うるさくて眠れない」と大騒ぎし救急隊に「それでもご家族なんですか!」と説教されたあげく望千夜への付き添いを拒否、サイレンの音が去ると同時にいびきを立て眠りについた。


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