第六幕 語りの灯り、未来の声。


 ――その夜、わたしはタグを胸元に置いた。



 光は、もう消えていた。


 でも、音は残っていた。


 千春ちはるくんの声が、わたしの中に残っていた。


 それは、語りの灯り。春の記憶。変身の証。


 わたしは、そっと呟く。


「わたしの声、これからも誰かに届くやろか」


 風が、窓を揺らした。


 ――その音が、答えてくれた気がした。


 わたしの声は、疼きを揺らす。


 語りは、変身を巻き起こす。春は、何度でも始まる。



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