初めてのダンジョン探索〜スライム退治だけでレベル30まで上げたネクロマンサー
もーさん
初めてのダンジョン探索
第1話 佐藤悠斗、落胆する
西暦1999年、岐阜の山中に突如、洞窟が出現する。当初、戦時中の防空壕か亜炭坑が疑われていたが、洞窟内に見た事がない生物が発見された事で、ハンターや自衛隊の協力の下、調査されることになった。銃火器を含む装備を整え、いざ洞窟に入ろうとしたその時、犬の様な動物が襲いかかってくる。すぐさま発砲したが、ハンターのライフルも、自衛隊の64式も足止めすら出来なかった。その場にいた全ての人の脳裏に最悪の光景が浮かんだ。だがそれは杞憂に終わる。洞窟から飛び出した直後、煙の様に消えたのだ。あとには石の様な物が残されていた。
後の調査で、原因が判明する。洞窟内はなんと20気圧もあったのだ。理屈は判らなかったが、死因は急激な気圧の低下に耐えられなかったからだと推察された。そのまま封鎖になるかと思われたが、動物から出た石の様な物が燃料として使え、しかもCO2を出さない事が判明した。
これにより、調査が続行となり、洞窟の手前に気圧を増減させる為、「調圧室」が設置される。
その後、日本各地に同様の洞窟が発見され、ダンジョンと名付けられた。
それから3年、ダンジョンで生計を立てる探索者という職業と、それをまとめる組織、ギルドができた。その後、組織的な探索が行われる様になると、色々な事が解ってきた。
それは、ダンジョン内で丸一日…厳密には16時間以上過ごし、そのまま睡眠を取ると、ステータス画面が開ける様になり、
◇◇◇◇
緊張して眠れない。私は今ダンジョンの中にいる。探索者になるため、ギルドに登録した。ギルドには国営と半官半民のものがあるが、私は極度のコミュ症なので、ある程度、自由のきく半官半民の所にした。 願わくば、ソロで活躍できる魔法剣士がパラディンに…
そう念じながら目を閉じた。
目が覚めて、恐る恐るステータス画面を開きジョブを確認する。そこに「ネクロマンサー」という文字を見た瞬間、私は思わず崩れ落ちた。
よりによってネクロマンサーとは…
ネクロマンサーは、劣化テイマーと呼ばれている。アンデッドが居なければ無力であり、使役するには、モンスターを倒さなければならない。ただ、通常のモンスターは倒されると、魔石のみを残して消えてしまうので、死体が残るユニークモンスターや各階層に居るボスモンスター等を狙うしかない。だが、そういったモンスターは、素材や装備品などが高額で売れるのでパーティ内での揉め事の原因になったりする。しかもそれらを全てクリアしても致命的な問題がある。防腐処理である。これには、かなりのコストがかかるうえ、定期的に行わなければならない。しかも損傷した場合、回復手段が無いとくれば、劣化テイマーと言われるのも当然である。
だが全く必要とされないかというと、そうでも無い。
通常は
ただ、私の「ソロでの活動」という計画は頓挫したのは確かだ。しかも半官半民のギルドにしたのが仇となった。せめて国営の所ならポーターでもある程度の給料が保証されたのだが、今となっては変更する事もできない。身に付いたジョブはギルドでの検査、国への報告義務があるので擬装はほぼ不可能。まぁ弱いジョブを強く見せかけたところで意味は無いのだが……
「ぉぃ?ぉぃ!おい!…ようやく気付いたか。お前で最後だ。あぁ、どんなジョブになったかは言わなくていい。どうせギルドに戻ったら判るからな。それよりさっさと戻るぞ」
今、話しかけてきたのはギルド本部から派遣された護衛だ。ギルドは東京にある本部と各道府県に支部がある。名前は……なんだったかな。まぁ、今後会う事も無いだろうから良いか。調圧室での減圧は2時間掛かるが、あっという間に感じた。
「よし、一列に並べ!この台に両手を置けば自動でステータス情報と指紋を読み取って本部に転送される。その後に探索者カードが出て来るから、間違った所がないか確認しろ。確認次第解散とする」
列の最後尾に並ぶ。本来、気が早るものだが、色々絡まれても面倒だ。カードを貰い、ギルドの端末に向かう。ポーターの仕事内容を調べてから、求人を探す。極端に待遇の良い所と悪い所を避け、平均より少し良い所を探し面接の申し込みを送信した。返信は意外とすぐにきた。今週の金曜日に、ギルド前に集合との事。
その後、ギルドの売店でロングソードとナイフ、スタンガンと交換用バッテリーを買った。このスタンガンは棒の先に付いており、手元のグリップを握ると作動する。歩きながらでも使える上、休憩を取る時などにスライムを効率的に倒す事が出来る。食害を防げる他、ポーターがレベルUPする数少ない手段だったりする。買った物をギルドの武器庫に入れ施錠、鍵を預けた。ポーター用のバックパックは高すぎて手が出なかった。後で相談しよう。手荷物検査場で検査を受けた後ギルドを後にした。
準備を済ませて数日後、ついに顔合わせの日がきた。
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