コンタクト04 コイツもどこから来たのか、誰も知らない
あたし朝から疲れたわ、ママン。今はいねーけど。
やっとの思いで三人が通ってる
可憐が全然起きなくて、慧琉と二人で布団ひっぺがしてメシ食わせて顔洗ってやって、着替えさせてみんなで走って──疲れた。可憐は幼児か!
「ダメよ麗子、朝からそんな顔してちゃ」
朝からシャキッとしてるなあ慧琉。その体力と精神力がが恨めしいわ。
「うふ♡ 今日もクラスのみんなは元気だね〜。麗子ちゃん」
可憐。あたしの生気を吸い上げたのはオメーだよ。
ボソッ「ふう。
「なに! なに麗子?!
「麗子ちゃん!!!! 転校したミッチョンが気になってるの? 一ヶ月も?!」
「き、ききき気になるんとちゃうわ!」
慧琉と可憐が、食らいついてきた。ヤダこれ怖いー。──ふう。
特にあたしをイラっとさせるくせになんでか、最後はいつも元気づけてくれた。そんだけの男子なのに!
「ただの、幼馴染みとか幼馴染みとか幼馴染みなだけだよっっっ!」
「「ホントにぃいい? あわてるのが怪しい」」
二人は、疑いの目で。寸分互いもなくハモりやがった。
「あたしの目を見ろ何も言うなあああああああああああああああ!」
キンコンカンコン
あぅあ。助かったわ。息つくひまもねーわ。
◇◇◇◇
「みんなー。私は元気よー! おはようございまっす!」
先生……分けてほしい。25才の生命力を……若さを! あたしにちょーだい!!
「さあ、入って」
先生が誰かに声をかけてる。後ろから男子がついて来た。転校生か? 珍しい。
なんか5年生にしては小ちゃいし、おかっぱ頭。顔はかわいいけどうーん、あたし的にはイケてねーわ。
(この女! 見つけた!! ゲートは必ず!)
「?」
「?」
「?」
左隣と前の席にいる慧琉と可憐を見た。二人と目が合う。息ぴったり♡ なんてな。
ヒソヒソと。
「慧琉、可憐。今の聞こえた?」
「ええ、頭の中に。昨日と感じが似てるわ」
「可憐が感じるにー、とっても強い決意かな?「必ず!」。って聞こえた」
これはもしかして昨日の。
「泥棒がどこかで監視?〝この女〟って、意味が分かんねーわ」
「麗子、静かに。ガルダさんに伝えた方がいいかもしれないわね」
「盛り上がってまいりましたー。うふふ♡♡」
あぅあ。
グッダグダに緊張が砕け散ったじゃねーの。カケラくらい拾いやがれ可憐。
教室の様子に変化はなく転校生の紹介が始まった。聞こえたのは、あたしたちだけ?
〝
「転校生の客間童士君です。みんな、仲良くしてあげてね」
「客間童士です。特に、一人の女子と仲良くしたいです」
ザワ
こいつ、変なこと言いやがるわね。教室が騒がしいわ。
ごめんなさいしたいタイプ。席はいくつか空いてるけど、こっち来んじゃねーわよ。
「じゃあ、客間君の席は。えーと煌星さん。の隣でいいわよね? お世話、お願いね」
センセぇえぇえ……。恨むわよ。
ソイツはあたしの右隣の席、光希がいた椅子に静かに座って。からあたしに──。
「よろしく。結婚しよう、今すぐ!」
あたしの脳みそがシェイクされた。
『 「え」
「え」
「え」』
あたしと慧琉と可憐は、ステキなハーモニーなんとか。再び。
ドッカン!
教室がざわめいた。ザワザワ♡ なんてもんじゃねーわ。
あたしの脳みそは、さらに飛んだ。
「ちょいと慧琉さん可憐さん、聞きまして? コイツったら、結婚。て言いかましやがってよ? アタクシの聞き間違いかしら。もう一度耳の穴かっぽじって、よーく聞いてみたいものですわ」
「いいえ麗子さん。ワタクシはこの子の言葉、しっかりと胸に刻みましてよ。自分から人生を棒に振るなんて血迷っていらっしゃるわね。哀れですわ」
「可憐も聞き逃しませんでしたわ。ウフ♡ ずいぶんと命知らずですこと。ていうかですわよ? 可憐、麗子さんがパニクっていらっしゃるのが手に取るように分かりますの。とてもおもしろうございます。これですから麗子さんの幼馴染みはやめられませんわ♡」
二人ともノリノリ。てか、なんだよこの流れ。ムカつくじゃねーの。
「イヤですわ慧琉さん、可憐さん。さりげなくアタクシをディスってくれやがりますわねえ……。放課後、体育館の裏にお忍びでいらしてくださる? 鼻の
「「「って!!!」」」
キラーン!
あたしたちは同時に叫び、目を光らせた。そろって大きく息を吸ってえええ!!
「ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!」
訳:(ふざけんじゃねーわよ誰がてめえなんかの嫁になるかってんだキモきもキモきもキモ! 顔洗って出直して来やがれだわタイプじゃねーっつーの! だわ!!)
「シャラララララララララララララララララララララララララララララララー!!」
訳:(あなた歳はいくつなの日本の法律では結婚は18才からよジュウハチ! 理解してないのね抜けてるのね呆れたものねおカバなのね。あなたに麗子はもったいない!!)
「ピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨヨ〜〜!!♡」
訳:(分かる〜麗子ちゃんは美人だもんね分かるよ〜でも君はイケてないしズレてるしっ! 結婚したいなら超ウルトラカッコよくなってからにしてほしいな!!♡)
三人よれば、
「出たよ〝
「もっとヒドイ言葉が続くのよねえ。いつ終わるのかしら」
その名は伊達じゃねーのよ。さあ、連続口撃でガクブルしやがれ!
「ハイみんなー。コイツらほっといて授業を始めまーす」
◇◇◇◇
放課後。アイツに〝
ふーん。て顔して「じゃあ、婚約だけでも」って抜かしてドちくしょーだわ。
とっとと三人で学校を出た。さっそく作戦会議しねーと。あきらめさせてやる!
──しばらく進んだら。あれ、これは。
「あらあ♡ すき焼きの匂い〜。良い香り♡」
「さすが可憐ね。あなたの胃袋にスキはないわ。すき焼きだけに」
くだらねー。慧琉のセンスはゼロだ。どこの家か、甘辛い匂いが漂ってくる。
まあ、うちも夕メシはすき焼きだけど。
「おとつい、ばーちゃんから金が振り込まれたんだ。今夜は奮発してやんよ。すき焼きよすき焼き! ありがたく思え、腹をすかせた子羊どもよ」
コッソリ、最高級の牛を一キロ買っておいた。腕が鳴りまくる。
「わーい♡ 楽しみー」
「麗子の割り下は最高よね」
「アッハッハ、ほめても牛しか出ねーわよ」
ばーちゃんのレシピのおかげだ。もっとあたしを盛り上げやがれ。あがめるがいい。子羊ども。
……うん? んんんんー? いや、待て。
変だ。今はまだ4時前のはず。ふつう、こんなに早く夕メシができあがるなんざ。
……ありえねーわ。
家に近づくほど、その匂いは強くなる。脳みそがビビり始めた。イヤな、予感。
ガチャ、ガララララッ
玄関の鍵と引き戸を開けたとたん、牛のダシがきいた甘辛いすき焼きの匂い!
が、あたしたちを包む。キッチン兼リビングへ入ると。
「おおう、遅かったじゃないか。先に呼ばれたぞ」
ガルダああああああ!
「なに勝手にすき焼き食ってんだーー!!」
コンニャロー! 自分で調理しやがった。ばーちゃんと同じ匂いさせやがって!
「瑠璃子のレシピは最高じゃな。君が孫の麗子か。瑠璃子とクリソツう」
『 「え」
「え」
「え。頭〜、大きい♡」』
ステキなハ、んなこたぁどーでもいい!
ガルダの向こう側にいたから見えなかった。
「誰だジジイ! 人んちでくつろぎやがってーー!! なんだそのでっかい頭あ!」
「〝ぬらりひょん〟だ」
ガルダの声が、あたしたちの脳みそを止めた。
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