第2話 おばあちゃん
先月祖母が亡くなりました。
98歳。亡くなるその日まで家族と食事をし、朝起きてこなかったという何とも素晴らしい生き方でした。
祖母は健康そのものでしたが生まれつき片耳が無く聴力もありませんでした。
祖母の時代身体の欠けたものは家から出さない風習もあったようですが、祖母の家は乏しかったため、働き手は一人でも多い方が良いと畑仕事に駆り出されていたそうです。
祖母は耳がない以外はとても美しく、ある時村を訪れた商人により奉公人として連れて行かれ、そこで祖父と出会い今に至ったそうです。
しかし、私には気になることがありました。
祖母が
「わたしゃ二度家族が変わったんよ。でも幸せやから…」
と自分の昔話をする時にポツリと言ったんです。
一度ならわかるんです。田舎から商人の元に来た時。商人は子をもたず祖母は使用人ながら大切にしてもらったそうでしたから。
二度とは…。
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