第18話 第1回イベント 開会式


 翌日。昼休み終わりにかけてイベント開会式場となっている校庭にやってきた3人。

 そのリーダーである紅。

 正直なところ、心に不安が残っていた。

 だけど紅は紅なりに一生懸命準備をした。

 もう1度確認の意味を込めて手持ちアイテムを確認する。


「よし。全部ある!」


 周りを見渡すと紅と同じくいやそれ以上に入念に準備してきましたと言わんばかりの人達で溢れている。イベント参加者のモチベーションは全員高いと見て間違いなさそうだ。


「それに雰囲気あるやつはもう2人3人って攻略してるのか早過ぎだろ。てかヤバ過ぎ」


 今回のイベントはそんな猛者を含むプレイヤーたちが相手である。

 相手の雰囲気に呑まれ始める紅。

 緊張で全身に汗をかきながらもイベントの開始時間を待つ。そんな紅の真後ろに姫野と七海が立っている。


 校庭や校舎の中には幾つものスクリーンがあり、イベント開始までの時刻を表示している。

 イベント会場は現時点で解放されているエリア全てである。イベントが始まると非参加者のためにLIVE中継するのに使われる。そして参加者たちはこのスクリーンを通して現在のランキングなどの情報を手に入れることができる。


「入賞できますように!」


 両手を握り祈る紅。


「それとこの緊張がなくなりますように!」


 ガチ勢の本気を見たことで神頼みをして心の安定を図る紅。そんな紅を静かに見る姫野と七海は紅の集中を切らさないように「「頑張れ」」と小さい声で応援する。


 しばらくして。

 スクリーンの時刻がイベント開始時間になった。

 同時にラッパのファンファーレと一緒に聞こえてきた声に皆が一斉に注目する。


 マイクを持った金髪バニガールの女性が突然姿を見せる。


「さぁ、皆さんお待たせしました。今から第一回イベント『国境を越えて振り向かせろ』を開催致します。ルールは簡単。参加者全員が留学生の女子生徒の好感度を上げ、各スクリーンに表示された校内図マップを自分色でより多く塗った方の勝利となります!」


「「「「「「「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」」」」


 会場の熱気が一気にヒートアップする。


「尚、対象の女子生徒はこの20名です」


 スクリーン越しに20人の女子生徒がイベント参加者に手を振って順番に自己紹介を始めた。女の子の背景には見覚えがある。


 自己紹介を聞いてどの子を狙うかを考え始めるプレイヤーたち。1人1人個性があって趣味や思考も違う。つまり誰をどう狙うかで効率が変わってくるわけだ。


「以上20名でした! 既に彼女たちは学校にいますので探す所からのスタートになります。今回参加者は約1236名、その中の上位30名に入るとイベント限定アイテムをもらえますのでどうか皆さん頑張ってください。確率で言えば約40分の1でゲットのチャンスです。では皆さんの活躍を期待しています。それではイベント終了後にまた会いましょう。第一回イベント『国境を越えて振り向かせろ』スタート!」

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