第7話:空に恋焦がれる片翼
繊細な装飾が施された家具、一級品のドレス。
素晴らしいものに囲まれているはずなのに私の心は動かない。
お兄様と一緒に剣を振り回していた頃が懐かしい。
メイエリと一緒に小さな冒険をしていた頃が懐かしい。
お爺様と一緒に過ごしていた頃が懐かしい。
体を動かすのが好きだった。
冒険譚を聞くのが好きだった。
家族の温もりに触れるのが好きだった。
風を感じながら空を見るのが好きだった。
でも今は鉄格子の窓から空を見ている。
でも今は整えられた綺麗な箱庭で人形であることを求められている。
抗おうとする時もある。でも、間違っているのではないかと思って分からなくなる。
お爺様、翼というのはこんなにも不自由なものなのですか?
お爺様、知っていますか? 片翼だけでは鳥は空を飛べないんですよ。
お爺様、
お爺様、
お爺様、
どうして、私が翼に選ばれたのですか?
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