第2章 水瓶の再来
町の広場に集まった人々は、青白い髪の毛の女性――アメリアの姿に言葉を失っていた。
その名を名乗る声は澄み渡り、同時に底知れぬ威圧感を伴っていた。
「女神の……妹神だと……?」
デューンの額に汗がにじむ。
数十年前の昔、防衛システムと女神との死闘、長老ギルから聞いた秘宝伝説――この世界を導く“女神”の存在。その名は知っていても、その女神の妹については何も語られてはいなかった。
「信じられないわ!」
シリューが聖剣を抜き、アメリアに向けて構える。
「水瓶と共に現れた者が善であるはずがない!」
だがアメリアは、彼の敵意に揺らぐことなく、ただ静かに瞳を閉じていた。
「疑うのも無理はないわね……。でも聞いてほしいの。水瓶を生み出し、操っていたのはラグナ神ではないわ」
「なに……?」
ポルナレフが目を見開く。
「ラグナ神は、ただの操り人形に過ぎなかったの。真の創造主は――この時空のさらに外側に潜む存在よ」
彼女の言葉に、人々のざわめきが広がる。
だがその時、突如として水瓶が不気味な光を放った。
「来るぞ!」
デューンが叫んだ瞬間、瓶の口から黒煙が溢れ出し、やがて形を持つ。
それは、かつて戦場で幾度も見た異形の魔物。
歪んだ四肢、目のない顔、そして人々の恐怖を糧に吠える怪物たち。
「くっ……!」
シリューが聖剣を構え、前へと飛び出す。
「町を守るわよ!」
「分かってる!」
ポルナレフが杖を構え、ミルフィーはすでに治癒魔法を詠唱し始めていた。
広場はたちまち修羅場と化した。
人々の悲鳴、魔物の咆哮、そして剣戟の音が響き渡る。
デューンは魔物の群れを切り裂きながら、背後のアメリアを睨んだ。
「お前の正体が何であれ……まずは、この脅威を止めてもらおう!メルローズ!!ディオールとネメシスを安全な場所に避難させてくれ!」
メルローズはディオールとネメシスを避難させながら言った
「デューン死ぬなよ!」そう言うと民家の方に消えていった。
アメリアは小さく頷き、両手を組むと淡い光を解き放った。
その光は魔物を次々と焼き払い、町の人々を守る結界となって降り注いだ。
「……信じられない」
ミルフィーが息を呑む。
「彼女、本当に……敵じゃないの?」
戦いの最中、アメリアは短く言葉を残した。
「私は人を救いたい。でも……この水瓶を生んだ真実を知れば、必ずあなた達の旅は再び始まるわ」
デューンは魔物を斬り伏せ、息を荒げながら答える。
「なら……真実を確かめに行こう。この世界の未来のために!」
町を襲った魔物は、仲間たちの奮闘によって撃退された。
だが広場に残された巨大などす黒い水瓶はなお不気味に輝き、世界に迫る危機を象徴していた。
――こうしてデューンたちは、再び剣を取り、戦いの旅へと歩み出すことを決意した。
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