小説執筆におけるAIとの付き合い方
塀流 通留
第1話 前書き
知っている方も知らない方もこんにちは、私は塀流通留と言います。
約10年前に第10回MF文庫J新人賞を受賞しプロ作家としてデビューした者です。
ここ数年は書籍化作業よりも漫画動画脚本をメインに活動しています。
2020年の例のアレ以降、出版事情もだいぶ厳しくなりましたよね……
私がデビューした当時はわりと三巻までは確約みたいな感じだったのですが、アレ以降はどんどん厳しくなり、今では二巻を出すのも難しい状態が続いています。
「あー、本出したい」
「っていうか小説書きたい」
「たまには女主人公で書いてみたい」
そんな思いを経てこの度カクヨム様にて開催中の『りぼん×ボカコレ×カクヨム超メディアミックス小説大賞【ナツガタリ'25】』に参加しました。
ちょうどこの少し前に生成AIでアレコレすることが話題になっていた上、XやWINDOWSにも搭載されているということを知り、
「せっかくだし今回ちょっと使ってみるか」
と、今回AIの使用に踏み切りました。
生成AIのレベルが向上した関係で、今や創作の場で見ない日はありません。
今の時代は創作の技術が未熟であっても、
作り方が分からなくても、
生成AIを使用してしまえば誰でも簡単に創作ができる環境が整っています。
AIは当然のことながら創作の速度は人間とは比較になりません。
1日に10万字を書けるような超速筆の作家さんでもAIの速度には100%かないません。
当たり前ですけど。
――誰でも簡単に一冊の小説を書けてしまう。
この事実は創作の敷居の高さを限りなく低くしました。
誰でも気軽に創作を楽しめる。
このことに関しては素晴らしいことだと思います。
何かを作るのは楽しいですから。
しかし、同時に深刻な問題が発生しています。
あまりにも簡単に創作ができる為、現在創作界隈ではAIによる粗製濫造が横行中です。
丹精込めて書いた個人の1小説が、 AIの書いた大量の小説に埋もれてしまっている。
現在発生しているこの状況の根本的な原因は、言ってしまえば人間の欲望です。
「俺こんな物語を考えられるんだぜ!」
「一本小説が出来上がったし、これコンテストに出せばワンチャンプロになれるんじゃね?」
「せや! 受賞確率を上げるために大量に投稿したろ! 数撃ちゃ当たる作戦や!」
承認欲求やお金などが絡み、大量のAI使いの新規参入が発生してしまっている現状から、一部の公募ではAI小説の禁止を条項に付けたり、一次審査にAI判定の導入をしたりして対策するところも出てきました。
しかし、これらを経てもなおAIに執筆させる投稿者は後を絶たないでしょう。
特に小説では扱われるものは文字なので、
「どうせ人間が書いたかAIが書いたかなんてわかるわけねーだろ」
「バレなきゃいいんだよバレなきゃ」
って考えて投稿する人は絶対いますから。
いわばAIは、創作界隈に突如発明された現実世界の『銃』のようなものです。
誰でも簡単に、それでこそ子どもにだって創作という引き金を引ける。
絵や小説という弾丸で人を撃てる。
悪意ある人がそんな力を持ったらどうなるかは、現実の銃社会を見ればわかると思います。
しかし生まれてしまった以上、われわれ創作者はこの問題に向き合わなくてはいけません。
――
ここが今後の創作界隈におけるポイントになってくると私は思います。
先ほど挙げさせていただいた一部のコンテストも「AI小説の禁止」はしていますけど、「AI自体の使用はOK」と認めています。
今回は私が執筆した本作を通して、 『AIとどう付き合っていくのが正解なのか』についての私なりの結論を述べていこうと思います。
なお、この結論は目的の半分です。
もう半分の目的は――
『公募に書いた小説が完結したけど、流行ガン無視してるからPV稼げねー! わかってたけど全然読まれねー! 資料としてちょっとでも読んでくれねーかな?』
――です(笑)。
それでは目的を語りましたので次から早速本題に行きましょう!
あ、ちなみに書き終えた小説はこちらになります。
・未来予報は、雨のち恋!!
https://kakuyomu.jp/works/16818792436256966709
読んでね!
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《宣伝》
こんなの書いたりしています。
【ラノベ】
・逃奏劇リアクターズ 阿頼耶識冥清の非日常 (MF文庫J)
・突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ! そうか、布団なら敷いてあるぞ。 (MF文庫J)
・この男子校には俺以外女子しかいない(MF文庫J)
【漫画原作】
・クラスの陰キャブス?...実は超美人コスプレイヤーだった。 みんな知らずに馬鹿にしてるけど。(シリウスKC)
【漫画動画脚本】(敬称略)
・漫画エンジェルネコオカ
・カノンの恋愛漫画
・結城アリス
・あかつき高校漫画部
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