9月8日、月曜日
「柊、おはよ!!」
「うるさ……朝からテンション高すぎ」
朝、校庭の隅で植わってる花の数を確認していたら、一ノ瀬が駆け寄ってきた。
隣にいた先輩が、ビクッと肩を揺らした。
わかりますよ。陰キャは、突然陽キャに話しかけられるとびっくりするんですよね。
「あと92日! 柊、何してんの?」
「そろそろ秋冬向けに花を植え替えるから、今植えてあるやつの数と種類確認してる」
「へー、俺、花のこととか全然わかんないけど、柊が花の世話してるの見るの好きだから楽しみ」
「なにそれ」
「……莉子ちゃん、この人、かれ……」
「違います」
おずおずと聞いてくる先輩に、ついきっぱり言ってしまった。
それは、ない。
「あ、そう見えます? 今、彼氏目指して猛アピール中なんです」
「そうなんだ? ふふっ、莉子ちゃん、モテるんだ〜」
「ほんと、全然そんなんじゃないんで……。サッカー部、まだやってるんでしょ? 戻んなよ」
「はいはい。あ、昨日勝ったんだよ。ご褒美にキスしていい?」
「いいわけあるか!」
一ノ瀬は、「また教室で」と走って行った。
……なんなんだあいつは。
先輩はニヤニヤしないでほしい。
ほんと、なんでもないから!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます