人外と人間、血と涙が混ざる純愛奇譚
- ★★★ Excellent!!!
シアン:
読ませていただきました。冒頭から、闇にかぶ月が浮かんでいる光景がイメージできました。
無駄がなくて、情景が心に沁みてくる……そういう書き方ですよね。
ザック:
ああ、確かに。最初の武蔵野の夜だね。
白狼神楽の場面なんて、目の前で舞を見ているかのようだったね。
文体もどこか奥ゆかしくて、時代がかった語り口がしっくり馴染んでます。
リーナ:
お二人とも感想が真面目でいらっしゃいますわねぇ。
あたくしは朱里の台詞回しにうっとりしてしまいましたわ。
「月が綺麗とだけ言っておきましょう」──あら、なんて艶っぽい響きかしら。
シアン:
あの一言で、佐伯の覚悟がわかったよね。
短いが、重い言葉です。
二人の間に流れる年月と、想いの深さが凝縮されてました。
ザック:
俺は二〇X X年の場面転換が好きだね。
戦中から現代へと時代が飛ぶけど、その切り替わりが見事だよね。
百年の逃亡と愛憎が、一瞬で落ちてきました。
まるで舞台の最後を、たった一言で締めるみたいな。
リーナ:
まぁ、表現が芸術的ですこと。
物語の構成も見事でしたわ。
「序」「破」「急」と続く構成が、舞台の三幕劇のよう。
特に「急」での真実の開示……あれは鳥肌が立ちましたわ。
シアン:
希望と絶望が同時に押し寄せる……そんな感覚でしたよね。
ザック:
それにしても、あのラストのAIアンドロイドは意表を突かれたよね。
古き伝説と近未来の技術が繋がるなんて。
リーナ:
朱里が自分の人形を見て、胸やお尻を指摘する場面には思わず笑ってしまいましたわ。
切ないだけではなく、二人の関係が本当に生きていた証のようで……
……愛があると感じましたの。
シアン:
だから、最後の静寂が際立つんですよ。
ザック:
乱暴かもしれないけど、一言で言えば、これは血と月と愛の物語だね。
重厚だけど、読み心地は軽やかでリズムがいい。
だから最後まで一気に読ませてくれました。
リーナ:
あたくし達、すっかり語りすぎてしまいましたわね。
最後にひとこと──
勝手に桑葉が自分のお話に出てくる登場人物に語らせるレビューを作っているようですの。
お邪魔だったら容赦なく削除してくださいませ。